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如何
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いかが
ふりがな文庫
“
如何
(
いかが
)” の例文
、売却とか、譲渡とか、それとも何か、これがいいとお考えになる形式で、一つお譲りねがえないかと思うのですが、
如何
(
いかが
)
でしょう?
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
普通の客としか見えない男を捕えて「
吉原
(
なか
)
まで
如何
(
いかが
)
です」と図星を指したりするのも皆この「第六感」の一種に数えられるのである。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
如何
(
いかが
)
あらんと、事の成行きを、息つまらせて見ていた側臣たちの眼は、期せずして、信長の顔いろとその
唇
(
くち
)
もとにあつめられていた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兄の口から斯う申すも
如何
(
いかが
)
でございますが、あれは正直おとなしい女で、角太郎を生みの子供のように大切にして居りましたのに
勘平の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
遣
(
や
)
り、来春一同参列の上、取替したがよいであろう。殊に我々両人だけで、誓紙を取替したとあっては、他への聞えも
如何
(
いかが
)
であろう
賤ヶ岳合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
「恐れながら青地三之丞と存じまするが、
如何
(
いかが
)
思召
(
おぼしめ
)
しましょうや」「青地……三之丞か」「御意にございます」光政はちょっと呻った。
備前名弓伝
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
の
思召
(
おぼしめ
)
しでございますならば、いっそ、
浅草寺
(
せんそうじ
)
の観世音菩薩のように、都のまん中へお寺をおうつしになっては
如何
(
いかが
)
でございますか……
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
濠州等には川に鮫住む事多く昔江戸鮫が橋まで鮫が来たとは
如何
(
いかが
)
だが、『塩尻』五三に尾張名古屋下堀川へ鰹群来した事を記して
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
乗り移るや
否
(
いな
)
、船頭直に櫓を執り、熟地に向う、漁史膝を抱きて、
四辺
(
しへん
)
を眺めながら、昨日一昨日の漁況は
如何
(
いかが
)
なりしと問えば
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
三年の後呉先生の帰朝されて再たび面会された時、相互のその喜びその憂い誠に
如何
(
いかが
)
であったろうか想像に余りあることである。
呉秀三先生
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
当時相当な名声のあった楢山と云う
代言人
(
だいげんにん
)
の細君で、盛に男女同権を主張した、とかく
如何
(
いかが
)
わしい風評が絶えた事のない女です。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
押し付けがましくなっても
如何
(
いかが
)
と思うので、一往手紙でお伺いする、と、そう云って来て、その明くる日に写真が届けられたのであった。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「椎茸で歯がかけるくらいじゃ、よほど歯の
性
(
しょう
)
が悪いと思われますが、
如何
(
いかが
)
なものでしょう」「善いとは言われますまいな——ねえ迷亭」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此時江戸表には八代將軍
吉宗公
(
よしむねこう
)
近習
(
きんじゆ
)
を
召
(
めさ
)
れ上意には奉行越前守は未だ
病氣全快
(
びやうきぜんくわい
)
は致さぬか芝
八山
(
やつやま
)
に居る天一坊は
如何
(
いかが
)
せしやと
發
(
ほつ
)
と御
溜息
(
ためいき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「はは、さやうで。手前は五年ほど掛違うて間とは会ひませんので、どうか去年あたり嫁を
娶
(
もら
)
うたと聞きましたが、
如何
(
いかが
)
いたしましたな」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「よく来て下さった。なんでもお見せします。なんでもお話しします。じゃが、その前に一ぱい
如何
(
いかが
)
ですな。上等のコニャックがあります」
悪霊物語
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「おあげしましょう、なんなら上へおあがりになって、お休みになったら
如何
(
いかが
)
でございます、奥の
室
(
へや
)
が
涼
(
すず
)
しゅうございますよ」
雑木林の中
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「本当だよ。雪、こら、おい、何をグズ/\している? とやる。雪子さん、あゝしたら
如何
(
いかが
)
でしょうの組とは
聊
(
いささ
)
か選を
異
(
こと
)
にする積りだよ」
秀才養子鑑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
他日、幾人に
殖
(
ふ
)
えて来るかも分りません。木彫りの方がもし殖えた場合「牙」の字を表わした会名では
如何
(
いかが
)
かと思われます。
幕末維新懐古談:48 会の名のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
先年
溜池
(
ためいけ
)
にて愚僧が手にかゝり相果て候かの得念が事、また百両の財布
取落
(
とりおと
)
し候
侍
(
さむらい
)
の事も、その後は
如何
(
いかが
)
相なり候
哉
(
や
)
と、折々夢にも
見申
(
みもうし
)
候間
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「おお、そう申せば、平馬、その方、一松斎に別れて、自流を立てるという、決心をしたそうだが、まずさし当って、
如何
(
いかが
)
いたすつもりだ?」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「叔父さん達は御風呂は
如何
(
いかが
)
ですか」と豊世は
款待顔
(
もてなしがお
)
に、「今日は、
郷里
(
くに
)
へ帰る人の御馳走に立てましたところですが——」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「ちょいと、これは
如何
(
いかが
)
、今この入口で貰った芝居のちらしよ、この芝居なら
私
(
わたし
)
此処
(
ここ
)
に居るありったけの人達におごるわ」
青い眼鏡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
例えば火山の噴火を示すのでも本当に子供だましの模型や
如何
(
いかが
)
わしい地殻断面図の行列であって、一つも現象の科学的な要点に触れていなかった。
教育映画について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「そんなにこちらの言葉を御信用がないならば、二つの鼎を
列
(
なら
)
べて御覧になったらば
如何
(
いかが
)
です」と一方はいったが、それでも一方は信疑
相半
(
あいなかば
)
して
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
此上貴嬢が立派な奥様におなり遊ばした御姿を拝見さへすれば、此世に何の思ひ残すことも御座いません、
寧
(
いつ
)
そ御決心なされては
如何
(
いかが
)
で御座ります
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
『
貴方
(
あなた
)
に
少々
(
しょうしょう
)
お
願
(
ねがい
)
があって
出
(
で
)
たのですが、どうぞ
貴方
(
あなた
)
は
私
(
わたくし
)
と一つ
立合診察
(
たちあいしんさつ
)
をしては
下
(
くだ
)
さらんか、
如何
(
いかが
)
でしょう。』と、さり
気
(
げ
)
なくハバトフは
云
(
い
)
う。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
追々正義家の為に相用ひ申すべく喜び入り候。尊家の御事御国の御事、
如何様
(
いかよう
)
にも御所置も
之
(
これ
)
有べき事
如何
(
いかが
)
御座候や。
志士と経済
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
私は
予
(
かね
)
て申す通り一体の性質が
花柳
(
かりゅう
)
に
戯
(
たわぶ
)
れるなどゝ云うことは
仮初
(
かりそめ
)
にも身に犯した事のないのみならず、口でもそんな
如何
(
いかが
)
わしい話をした事もない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
新生涯の新夫婦、メェフラワァを目送するピュリタンの若い男女の
一対
(
いっつい
)
の其一人は
欠
(
か
)
けた。残る一人は
如何
(
いかが
)
であろう?
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
というのは、
聖
(
サン
)
モリッツの雪は、近代の恋愛の諸相と同じだという事実なんですが——
如何
(
いかが
)
ですか、私に、それを証明する光栄を許して下さいますか。
踊る地平線:11 白い謝肉祭
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
其の儀は、とかくに申しまするが、
如何
(
いかが
)
か、
孰
(
いず
)
れとも
相分
(
あいわか
)
りませぬ。此の公園のづツと奥に、
真暗
(
まっくら
)
な
巌窟
(
いわや
)
の中に、一ヶ処
清水
(
しみず
)
の
湧
(
わ
)
く井戸がござります。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
第一、麓といふ語
如何
(
いかが
)
や、心あてに見し処は少くも
半腹
(
はんぷく
)
位の高さなるべきを、それを麓といふべきや疑はしく候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
男親の口からこんなことをいうも
如何
(
いかが
)
ですが、民子は命に替えられない思いを捨てて両親の希望に従ったのです。
野菊の墓
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
表に人が立つと引っ張りの男がたちまち暖簾の陰から現われて「一枚お
土産
(
みやげ
)
にいかがさま、硝子
撮
(
うつ
)
し十五銭からお安く致しておきます。
如何
(
いかが
)
さま如何さま」
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
「まことにお気の毒さまねえ、今晩だけ
他
(
ほか
)
な
女
(
の
)
をお遊びになっては
如何
(
いかが
)
です。他にまだ好いのもありますよ。」
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
それ以上にズレている筈の古い原稿を労をはぶいて送るのも
如何
(
いかが
)
なものだと、私はボソボソ口の中で呟いた。
世相
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
如何
(
いかが
)
でございましょう、
往
(
ゆ
)
きが四時間、
復
(
か
)
えりが十時間、向うにいる日を一日と見て、たった二日だけ子供たちをお預りくださるわけにはまいりますまいか。
ノンシャラン道中記:01 八人の小悪魔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
...
蒲鉾
(
かまぼこ
)
だのと色々変った料理がございます」妻君「
如何
(
いかが
)
でしょう、松茸の西洋料理がございますか」お登和嬢
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「とにかく私の家までいらっしゃいませんか、ゆっくりと火星の果実の話をしましょうや、
如何
(
いかが
)
です?」
火星の魔術師
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「もし民弥という娘ごが、不在でありましたら
如何
(
いかが
)
したもので」不安そうに聞いたのは銅兵衛であった。
南蛮秘話森右近丸
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
男優E
如何
(
いかが
)
でございませう。お互ひに逃れられぬ運命、この辺で、妥協の道はございますまいか。
職業(教訓劇)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
それは
邂逅
(
たまさか
)
の事で、大方は下坐敷でお政を相手に
無駄
(
むだ
)
口を
叩
(
たた
)
き、或る時は花合せとかいうものを手中に
弄
(
ろう
)
して、
如何
(
いかが
)
な真似をした
上句
(
あげく
)
、
寿司
(
すし
)
などを取寄せて
奢散
(
おごりち
)
らす。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
さればこそ、恐らくは時代の先駆を以て自任するすべての雑誌などからは当分「
所謂
(
いわゆる
)
主義者」の名前などは影を没するであろう。
如何
(
いかが
)
でしょう、天下の雑誌経営者諸君。
サーベル礼讃
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
電車は急停車したが、それを見た亭主は、十
間
(
けん
)
ばかり向うへ逃げ出したそうだ。命に関する出来事であるにかかわらず逃げるとは
如何
(
いかが
)
なもので御座いましょうといった。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
この頃になると、亭主どもばかりではなく、夫人連も、そろそろ
神輿
(
みこし
)
をあげて、サービスを始める。コップが大分あいていると、「もう一杯
如何
(
いかが
)
です」と、勧誘に来る。
パーティ物語
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
評判だけあって、中々美人が多い、某先生の如きは、大枚五両のチップをはずむと聞いたが、
如何
(
いかが
)
なものか、私は五両はおけないから、五十銭を奮発して引きさがった。
新古細句銀座通
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
表面は何もないふうをしていても、あのことがあってからは心から親しめない間柄になっているのであるから、突然言い出すのも
如何
(
いかが
)
なものであると大臣ははばかられた。
源氏物語:33 藤のうら葉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「御前様、蜜柑をとの御意ださうに承はりましたが、この頃の
夜寒
(
よさむ
)
に
如何
(
いかが
)
で御座りませうな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
土人しか/″\の
旨
(
むね
)
答へしかば、そは淫祠なり馬下るべきにも
非
(
あら
)
ずとて
阪
(
さか
)
を上り給ひしに、
如何
(
いかが
)
はしたまひけん馬より落ちて奥州の辺土にあへなく身を終り給ふとぞ聞えし。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
如
常用漢字
中学
部首:⼥
6画
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“如何”で始まる語句
如何様
如何樣
如何程
如何那
如何許
如何成
如何敷
如何計
如何云
如何処