“突忽”の読み方と例文
読み方割合
とっこつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さもなければ、以後の北条幕府下に、これだけの地盤を、突忽とっこつとして、斬り取りしたり、他国から割り込んだりすることは出来ッこない。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
渓流と翠巒すいらんの相せまった突忽とっこつとした風景がどんなに私を喜ばせたか。そして盆踊の雄大おおしさには私は肝さえ潰したのである。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこへ、一条の泡がスウッと立ち上っていったのだが、それが水面で砕けたと思えば、突忽とっこつとして現われたのは何あろう、現在のあたり見る鬼蓮おにばすなのである。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)