タチマチ)” の例文
当麻語部タギマノカタリベの嫗なども、都の上﨟ジヤウラフの、もの疑ひせぬ清い心に、知る限りの事を語りかけようとした。だが、タチマチ違つた氏の語部なるが故に、追ひ退けられたのであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
八つの声が答へて、彼等は訓練せられた所作のやうに、タチマチ一度に、草の上にクツロぎ、フタタビ杖をヨコタへた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
タチマチ、二上山の山のに溶け入るやうに消えて、まつくらな空ばかりの、たなびく夜になつて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)