“うぬぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
自惚72.0%
己惚28.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おまけに多くの候補者のうちではおそらく自分などは罪の軽い部ではなかろうか——などと都合の好さそうな自惚うぬぼれを持ったりした。
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
私はきものつぶれるほどに驚倒し、それから、不愉快になりました。「自惚うぬぼれちゃいけない。誰が君なんかに本気で恋をするものか。」
風の便り (新字新仮名) / 太宰治(著)
平中の腹の底には矢張やはりそう云う風な己惚うぬぼれがあるので、あれ程にされてもなおりず、まだほんとうにはあきらめていなかったのであった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
自分だけが国家有用の材だなどと己惚うぬぼれて急がしげに生存上十人前くらいの権利があるかのごとくふるまってもとうてい駄目だめなのです。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)