をれ)” の例文
長次さんは全く一人で罪を引受けて死んだので、をれが居つたら殺しはせぬのぢやつたと龍馬が残念がつて居りました。
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
をれは詩によつて名を成さうと思ひながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交つて切磋琢磨に努めたりすることをしなかつた。かといつて、又、己は俗物の間に伍することも潔しとしなかつた。
山月記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)