『吾輩は猫である』中篇自序『わがはいはねこである』ちゅうへんじじょ
「猫」の稿を継ぐときには、大抵初篇と同じ程な枚数に筆を擱いて、上下二冊の単行本にしようと思って居た。所が何かの都合で頁が少し延びたので書肆は上中下にしたいと申出た。其辺は営業上の関係で、著作者たる余には何等の影響もない事だから、それも善かろ …