“悲酸”の読み方と例文
読み方割合
ひさん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此時子規は余程よほどの重体で、手紙の文句もすこぶ悲酸ひさんであったから、情誼じょうぎ上何かしたためてやりたいとは思ったものの、こちらも遊んで居る身分ではなし
ああ云う浮いた家業をする女の平生はうらやましいほど派出はででも、いざ病気となると、普通の人よりも悲酸ひさんの程度が一層はなはだしいのではないかと考えた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こんな悲酸ひさんな退院を余儀なくされる患者があるかと思うと、毎日子供を負ぶって、廊下だの物見台だの他人ひとへやだのを、ぶらぶら廻って歩く呑気のんきな男もあった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)