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確乎
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しっか
ふりがな文庫
“
確乎
(
しっか
)” の例文
悄然
(
しょうぜん
)
として
項垂
(
うなだ
)
れていた小野さんは、この時居ずまいを
正
(
ただ
)
した。顔を上げて宗近君を
真向
(
まむき
)
に見る。
眸
(
ひとみ
)
は例になく
確乎
(
しっか
)
と坐っていた。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
黒鹿毛
(
くろかげ
)
の
鞍
(
くら
)
つぼへ踏み
跨
(
またが
)
った自分の胴脇へ、遠目にも派手やかな古代紫の
太紐
(
ふとひも
)
で、八雲のからだを
確乎
(
しっか
)
とくくりつけていた。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……美しい手で
確乎
(
しっか
)
と椅子の腕を握り、じっとして思索に耽っている時のまじめな眠りを催すような静寂。体は横の方へ垂れ、頭は他方の手でささえて、眼は鈍い焔のように見える。
エレオノラ・デュウゼ
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
と、結ばれた天縁に対して、大きなよろこびと、そして
臨終
(
いまわ
)
の間際までも、
確乎
(
しっか
)
とした生きがいを感じているのであった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
好きだというような気持のほうが多分で、
確乎
(
しっか
)
りした論拠と実証を持たないでの言葉であった。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「だ、だからですよ! 父上——」と、義平太は、のり出して、
確乎
(
しっか
)
と、父の手をにぎりしめ
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おりまする。こうして、
確乎
(
しっか
)
と、殿のおからだをお抱き申しあげておりまする」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御仏
(
みほとけ
)
の
膝下
(
ひざもと
)
へ
確乎
(
しっか
)
とすがりつきたいのです、おゆるしください、しばらくのあいだ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが——それを
確乎
(
しっか
)
と抱え込むと、今度は、体が彼の思うように浮かなかった。
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして背中には、なにやら重たげな包みを
確乎
(
しっか
)
と背負っている。その頑健な肩といい、腰ぼねといい、どうして、五十を越えた奈良井の大蔵であるものか——と、思われぬでもなかった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「雑人、鞭を貸せ」覚明が、牛飼の鞭を奪って、百万の魔神もこの輦の前を
阻
(
はば
)
めるものがあれば打ち払っても通らんと
巨
(
おお
)
きな眼を
瞋
(
いか
)
らすと、性善坊も、八瀬黒の
牡牛
(
おうし
)
の手綱を
確乎
(
しっか
)
と
把
(
にぎ
)
って
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「十郎っ、
確乎
(
しっか
)
りせいっ。——相手は誰だ、相手は、どっちへ行った?」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わしがその折、御名号を書いて与えたが、見ると、今朝気を失うている折も、
確乎
(
しっか
)
と、それをふところに抱いていた。——やがて、弟子衆の介抱で、われに
回
(
かえ
)
ると、さめざめ泣いてばかりおる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『大儀』と、
確乎
(
しっか
)
り踏みながら出迎えに云った。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“確乎”の意味
《名詞》
確乎(かっこ 「確固」に「同音の漢字による書きかえ」がなされる)
しっかりして確かなこと。
(出典:Wiktionary)
確
常用漢字
小5
部首:⽯
15画
乎
漢検準1級
部首:⼃
5画
“確乎”で始まる語句
確乎不抜