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熟
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ぢつ
ふりがな文庫
“
熟
(
ぢつ
)” の例文
まだ
全
(
まつた
)
く
消
(
き
)
え
果
(
は
)
てない
煙
(
けむり
)
を
便宜
(
よすが
)
に、あからめもしないで
熟
(
ぢつ
)
と
視
(
み
)
る
時
(
とき
)
、
女
(
をんな
)
は
二人
(
ふたり
)
、
揃
(
そろ
)
つて、
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つて、
四
(
よつ
)
ツの
目
(
め
)
をぱつちりと
瞬
(
またゝ
)
きした。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
先刻
(
さつき
)
から見て居るのよ、成程能く似て居ると思つて感心して居るのよ。」と女は言つて笑を含んで
熟
(
ぢつ
)
と僕の顏を見て居る。
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
取りけるが今外より下質の金八十兩
請取
(
うけとり
)
亭主
(
ていしゆ
)
は
財布
(
さいふ
)
に入れけるを喜八
熟
(
ぢつ
)
と見て居たりしが心の中に
偖々
(
さて/\
)
有處
(
あるところ
)
には
澤山
(
たくさん
)
に有るもの哉我は只二分の金にさし
支
(
つか
)
へ妻を奉公に出せしに八十兩と云ふ金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
陋
(
さも
)
しく或は軽浮であらうとも俺にはまた却てその無邪気と痴態とが
萎
(
しほ
)
らしくも亦
憫
(
いぢ
)
らしく思はれたのだつた……そればかりか俺も亦釣られて栗鼠のやうに飛びあるいた……而して
遂
(
おしま
)
ひには二人とも監獄に堕ちて了つた……兎に角……と又右の眼が
熟
(
ぢつ
)
と
霊魂
(
たましひ
)
に喰ひ入るやうに覗き込む……
汝達
(
おまへたち
)
はあまりに夢想家だつた
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
元二
(
げんじ
)
は、
絶
(
た
)
えず、
其
(
そ
)
の
歌
(
うた
)
を、
肌
(
はだ
)
に
添
(
そ
)
へて
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
て、
人
(
ひと
)
の
目
(
め
)
につくやうに、つかないやうに、ちら/\と
出
(
だ
)
しては
始終
(
しじう
)
熟
(
ぢつ
)
と
視
(
み
)
る。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
「
愈々
(
いよ/\
)
何日
(
いつ
)
と
決定
(
きま
)
つた?」と女の顏を
熟
(
ぢつ
)
と見ながら訊ねた。女は十九か二十の年頃、色青ざめて
左
(
さ
)
も力なげなる樣は病人ではないかと僕の疑つた位。
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
はて、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
に、あんな
處
(
ところ
)
に
水車
(
すゐしや
)
を
掛
(
か
)
けたらう、と
熟
(
ぢつ
)
と
透
(
す
)
かすと、
何
(
ど
)
うやら
絲
(
いと
)
を
繰
(
く
)
る
車
(
くるま
)
らしい。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
熟
(
ぢつ
)
と見て居たが忽ち涙ぐんだ。
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
は
濡
(
ぬ
)
れたやうな
眞黒
(
まつくろ
)
な
暗夜
(
やみよ
)
だつたから、
其
(
そ
)
の
灯
(
ひ
)
で
松
(
まつ
)
の
葉
(
は
)
もすら/\と
透通
(
すきとほ
)
るやうに
青
(
あを
)
く
見
(
み
)
えたが、
今
(
いま
)
は、
恰
(
あたか
)
も
曇
(
くも
)
つた
一面
(
いちめん
)
の
銀泥
(
ぎんでい
)
に
描
(
ゑが
)
いた
墨繪
(
すみゑ
)
のやうだと、
熟
(
ぢつ
)
と
見
(
み
)
ながら、
敷石
(
しきいし
)
を
蹈
(
ふ
)
んだが
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
憎
(
にく
)
さげな、
高慢
(
かうまん
)
な、
人
(
ひと
)
を
馬鹿
(
ばか
)
にした
形
(
かたち
)
は
何
(
ど
)
うだい、
總別
(
そうべつ
)
、
氣
(
き
)
に
食
(
く
)
はない
畜生
(
ちくしやう
)
だ、と
云
(
い
)
ふ
心
(
こゝろ
)
から、
石段
(
いしだん
)
の
割
(
わ
)
れた
欠
(
かけら
)
を
拾
(
ひろ
)
つて、
俗
(
ぞく
)
にねこと
言
(
い
)
ふ、
川楊
(
かはやぎ
)
の
葉
(
は
)
がくれに、
熟
(
ぢつ
)
と
狙
(
ねら
)
つて、ひしりと
擲
(
な
)
げる
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
婦人
(
をんな
)
は
熟
(
ぢつ
)
と
瞻
(
みまも
)
つて
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
熟
常用漢字
小6
部首:⽕
15画
“熟”を含む語句
熟々
熟視
熟睡
早熟
成熟
爛熟
熟〻
半熟
熟柿
熟練
熟考
熟知
未成熟
黄熟
熟兎
未熟
熟慮
熟達
熟実
熟蝦夷
...