つくづ)” の例文
もうはし上下あげおろしには言れますし、狭山と切れろ切れろのやかましく成りましたのも、それからなので、私はつらさは辛し、つくづくこんな家業は為る者ぢやないと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
今朝貴方あなたが半死半生の怪我をしたといふ新聞を見た時、わたしはどんなにしても早くこの家業をお廃めなさるやうにせなかつたのをつくづく後悔したのです。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
つと乗出のりいだしてそのおもてひとみを据ゑられたる直行は、鬼気に襲はれてたちまち寒くをののけるなり。つくづくと見入るまなこを放つと共に、老女は皺手しわでに顔をおほひて潜々さめざめ泣出なきいだせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)