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熟
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よく
ふりがな文庫
“
熟
(
よく
)” の例文
はて、不思議だと思いながら、
抜足
(
ぬきあし
)
をして
窃
(
そっ
)
と
尾
(
つ
)
けて行くと、不意に赤児の泣声が聞えた。
熟
(
よく
)
視
(
み
)
ると、
其奴
(
そいつ
)
が赤児を抱えていたのだ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ブラジルのサンパウロを旅行中その
僕
(
しもべ
)
大木の幹に腰掛くると動き出したから
熟
(
よく
)
視
(
み
)
ると木でなくて大蛇だったと記した。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
見れば
連
(
つれ
)
の男見えぬ故扨こそ奴つに相違なし今に
取押
(
とりおさへ
)
呉
(
く
)
れんと
空鼾
(
そらいび
)
きをかき
熟
(
よく
)
寢入
(
ねいり
)
し體に
持成
(
もてなせ
)
ば曲者は仕濟したりと彼胴卷を
解
(
ほどき
)
てそろり/\と引出すゆゑ半四郎は少し
體
(
からだ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
二人して息せき急ぎ感応寺へと持ち込み、上人が前にさし置きて帰りけるが、上人これを
熟
(
よく
)
視
(
み
)
たまうに、初重より五重までの
配合
(
つりあい
)
、屋根
庇廂
(
ひさし
)
の
勾配
(
こうばい
)
、腰の高さ、
椽木
(
たるき
)
の
割賦
(
わりふり
)
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
これは
私
(
わたくし
)
が
一箇
(
いっこ
)
の考えではござりません、統計学をお遣り遊ばした御仁は
熟
(
よく
)
知ってお
出
(
いで
)
なさる事で、何も珍しい説でも
何
(
なん
)
でもないんでございます、と申すと私も大層学者らしい
口吻
(
くちぶり
)
でげすが
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
寝付が悪いというお久が今夜は
熟
(
よく
)
睡
(
ねむ
)
って、寝坊だと笑われている自分が今夜は
何
(
ど
)
うして睡られそうもないので、お菊は幾たびか
輾転
(
ねがえり
)
した。
黄八丈の小袖
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
叩
(
たゝき
)
けれども今日は奉行所へ一同
罷出
(
まかりいで
)
勞
(
つかれ
)
にも
熟
(
よく
)
寢
(
ね
)
こみ居て何分
起出
(
おきいで
)
ぬゆゑ裏口に廻り見るに如何さま久兵衞が逃出したる所らしく戸など
明放
(
あけはな
)
しありしかば
家
(
うち
)
へ入て家内の者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
すべてかくのごとく小むずかしく
縺
(
もつ
)
れ絡んだ蛇の画を、護符として諸多の災害を避くるは、イタリアに限らず、例せば一切経中に見る火難
除
(
よ
)
けの符画も、
熟
(
よく
)
視
(
み
)
るとやはり蛇の画だ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
いきなりに雛形持ち出して人を頼み、二人して息せき急ぎ感応寺へと持ち込み、上人が前にさし置きて帰りけるが、上人これを
熟
(
よく
)
視
(
み
)
たまふに、初重より五重までの
配合
(
つりあひ
)
、屋根庇廂の勾配、腰の高さ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
そこで、
祖父
(
おじい
)
さんは
其
(
そ
)
の赤児を拾って帰って、
燈火
(
あかり
)
の下で
熟
(
よく
)
視
(
み
)
ると、生れてから
十月
(
とつき
)
位にもなろうかと思われる男の児で、色の白い可愛い児であった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
自分は両国の橋の上に御大名が御一人
臥
(
のさ
)
って御座ったてふ古い古い
大津絵節
(
おおつえぶし
)
に、着たる着物は米沢でとある上杉家中に生まれた者で出羽の事を
熟
(
よく
)
知るが、かの地にトウシ蛇という
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
彼女
(
かれ
)
はお
内儀
(
かみ
)
さんの前に呼び付けられて、お久の口を通しておそろしい役目を云い付けられた。若旦那の
熟
(
よく
)
寝ているところへ忍んで行って、剃刀でその
喉
(
のど
)
へ少しばかりの傷をつけてくれ。
黄八丈の小袖
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この時、遠い頭の上で例の
金色
(
こんじき
)
の光が淡く閃いた。市郎は眼を
定
(
さだ
)
めて
熟
(
よく
)
視
(
み
)
ると、穴の入口と覚しき所で何者か火を
照
(
てら
)
しているらしく、
其
(
その
)
光に映じて例の金色が見えつ隠れつ漂うのであった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
提灯をかざして
熟
(
よく
)
視
(
み
)
ると、年のころは十三四の小僧が、この大雨に傘も持たず下駄も穿かず、
直湿
(
ひたぬ
)
れに
湿
(
ぬ
)
れたる両袖を掻合せて、
跣足
(
はだし
)
のままでぴたぴたと行く姿、いかにも哀れに見えるので
河童小僧
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
熟
常用漢字
小6
部首:⽕
15画
“熟”を含む語句
熟々
熟視
熟睡
早熟
成熟
爛熟
熟〻
半熟
熟柿
熟練
熟考
熟知
未成熟
黄熟
熟兎
未熟
熟慮
熟達
熟実
熟蝦夷
...