じゆく)” の例文
事定りてのち寺に於て稽古けいこをはじむ、わざじゆくしてのち初日をさだめ、衣裳いしやうかつらのるゐは是をかすを一ツのなりはひとするものありてもの不足たらざるなし。
たまたま! 赫奕かくやくたる明星みやうじやう持主もちぬしなる、(おう)の巨魁きよくわい出現しゆつげんじゆくして、天公てんこう使者ししやくちりて、あらかじいんをなすものならむか。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あのは、さきはうすことがつてつのたやうな、たばかりでもおいしさうにじゆくしたやつを毎年まいねんどつさりとうさんに御馳走ごちそうしてれましたつけ。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
のつそりとして悠長いうちやう卯平うへい壯時さうじじゆくして仕事しごと呼吸こきふおほきなかたからおろとき、まだ相當さうたうはかどるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
孫子そんしいはく、『約束やくそくあきらかならず、申令しんれいじゆくせざるは、しやう罪也つみなりすですであきらかにしてしかはふごとくならざるは、吏士りし罪也つみなり』と。すなは左右さいう隊長たいちやうらんとほつす。
大理石色なめいしいろ薔薇ばらの花、あかく、また淡紅うすあかじゆくして今にもけさうな大理石色なめいしいろ薔薇ばらの花、おまへはごく内證ないしよ花瓣はなびらの裏をみせてくれる、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ばあさんは、今日けふもうれしさうにはたけ見廻みまはして甘味うまさうにじゆくしたおほきいやつを一つ、庖丁ほうてうでちよんり、さて、さも大事だいじさうにそれをかゝえてかえつてきました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
それとも一方いつぱうには小説雑誌の気運きうん日増ひましじゆくして来たので、此際このさいなにか発行しやうと金港堂きんこうどう計画けいくわくが有つたのですから、早速さつそく山田やまだ密使みつしむかつたものと見える
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
もしも自然しぜん貝殼かひがらがつもつたものとすれば、そのうちには、きっとべられないをさないかひまじつてゐなければならないはずだのに、おほきいじゆくしたかひばかりであり
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
跛者びつこで病身なために、あまり外へ出る機會もなく、從つて嫁の口も滅多にありませんが、じゆくし切つて虫の附いた果物のやうな、何んともいへない不思議な魅力の持主でした。
身動みうごきもせずじつとして兩足をくんすわつてると、その吹渡ふきわた生温なまぬくいかぜと、半分こげた芭蕉の實や眞黄色まつきいろじゆくした柑橙だい/\かほりにあてられて、とけゆくばかりになつてたのである。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
学士がくしですのなんのと云ツたところ味噌摺みそすりはふらずお辞義じぎ礼式れいしきじゆくせざれば何処どこいつてもけいしてとほざけらる〻が結局おちにてだしもけいさるゝだけをとくにしてめてもの大出来おほできといふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
かね工夫くふう慘憺さんたんよしほのかみゝにせしが、此度このたびいよ/\じゆくしけん、あるひおもんぱかところありてにや、本月ほんげつ初旬しよじゆん横濱よこはまぼう商船會社しやうせんくわいしやよりなみ江丸えまるといへる一だい帆走船ほまへせんあがなひ、ひそかに糧食りようしよく石炭せきたん氣發油きはつゆう※卷蝋くわけんらう
事定りてのち寺に於て稽古けいこをはじむ、わざじゆくしてのち初日をさだめ、衣裳いしやうかつらのるゐは是をかすを一ツのなりはひとするものありてもの不足たらざるなし。
ナニ、あをいんでもかまひませんが、なるなら黄色きいろはうがいゝ。むぎじゆくするほど丈夫ぢやうぶですからね。このほそ麥藁むぎわら穗先ほさきはうかるつておきなさい。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかしながらかれはつく/″\と忌々敷いま/\しその心持こゝろもちじゆくしてながら自分じぶんまたきよじようずることをあへてするのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
林檎の木よ、發情期はつじやうきの壓迫で、身の内がほてつて重くなつた爛醉らんすゐなさけふさつぶじゆくした葡萄のゆるんだ帶の金具かなぐ、花を飾つた酒樽、葡萄色の蜂の飮水場みづのみば
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ここおい(七)これみぎす。婦人ふじんおほいわらふ。孫子そんしいはく、『約束やくそくあきらかならず、(八)申令しんれいじゆくせざるは、しやう罪也つみなり』と。た三れいしんしてこれひだりす。婦人ふじんおほいわらふ。
一冊いつさつの本を三四十人して見るのでは一人ひとり一日いちにちとしても一月余ひとつきよかゝるので、これでは奈何どうもならぬとふので、じゆくしたのであるから、印行いんかうして頒布はんぷする事にたいとせつ我々われ/\三名さんめいあひだおこつた
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
とちは八月じゆくしておつるをひろひ、てのちかはかし、手にもみてあらきふるひにかけて渋皮しぶかはをさり、ぬのをしきてにしたるをおき、よくならし水をうちてしめらせ
かれたゞ空腹くうふくしのため日毎ひごと不味まづくちひてうごかしつゝあるのである。疎惡そあく食料しよくれう少時せうじからおつぎのにもくちにもじゆくしてるので、其處そこにはなんこゝろかなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
麥畠むぎばたけじゆくしたむぎは、とうさんに穗先ほさきはうほそ麥藁むぎわらと、胴中どうなかはうふと麥藁むぎわらとをれました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
じゆくしうみたるくだものゝ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
おきながかくかたりし時牧之ぼくしいらの形状けいじやうをくはしくきかざりしが、のちあんずるにいらとは蕁麻いらくさの事なるべし、蕁麻たんまは本草に見えたるくさの名也。あさの字にじゆくしたればあさかへても用ふべきものなるべし。