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熟
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じゆく
ふりがな文庫
“
熟
(
じゆく
)” の例文
事定りてのち寺に於て
稽古
(
けいこ
)
をはじむ、
技
(
わざ
)
熟
(
じゆく
)
してのち初日をさだめ、
衣裳
(
いしやう
)
髢
(
かつら
)
のるゐは是を
借
(
かす
)
を一ツの
業
(
なりはひ
)
とするものありて
物
(
もの
)
の
不足
(
たらざる
)
なし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
目
(
め
)
の
玉
(
たま
)
、
目
(
め
)
の
玉
(
たま
)
!
赫奕
(
かくやく
)
たる
此
(
こ
)
の
明星
(
みやうじやう
)
の
持主
(
もちぬし
)
なる、(
應
(
おう
)
)の
巨魁
(
きよくわい
)
が
出現
(
しゆつげん
)
の
機
(
き
)
熟
(
じゆく
)
して、
天公
(
てんこう
)
其
(
そ
)
の
使者
(
ししや
)
の
口
(
くち
)
を
藉
(
か
)
りて、
豫
(
あらかじ
)
め
引
(
いん
)
をなすものならむか。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あの
木
(
き
)
は、
先
(
さき
)
の
方
(
はう
)
の
少
(
すこ
)
し
尖
(
とが
)
つて
角
(
つの
)
の
出
(
で
)
たやうな、
見
(
み
)
たばかりでもおいしさうに
熟
(
じゆく
)
したやつを
毎年
(
まいねん
)
どつさり
父
(
とう
)
さんに
御馳走
(
ごちそう
)
して
呉
(
く
)
れましたつけ。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
のつそりとして
悠長
(
いうちやう
)
な
卯平
(
うへい
)
は
壯時
(
さうじ
)
に
熟
(
じゆく
)
して
居
(
ゐ
)
た
仕事
(
しごと
)
の
呼吸
(
こきふ
)
で
大
(
おほ
)
きな
手
(
て
)
が
肩
(
かた
)
から
打
(
う
)
ち
下
(
おろ
)
す
時
(
とき
)
、まだ
相當
(
さうたう
)
に
捗
(
はか
)
どるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
孫子
(
そんし
)
曰
(
いは
)
く、『
約束
(
やくそく
)
明
(
あきら
)
かならず、
申令
(
しんれい
)
熟
(
じゆく
)
せざるは、
將
(
しやう
)
の
罪也
(
つみなり
)
、
既
(
すで
)
に
已
(
すで
)
に
明
(
あきら
)
かにして
而
(
しか
)
も
法
(
はふ
)
の
如
(
ごと
)
くならざるは、
吏士
(
りし
)
の
罪也
(
つみなり
)
』と。
乃
(
すなは
)
ち
左右
(
さいう
)
の
隊長
(
たいちやう
)
を
斬
(
き
)
らんと
欲
(
ほつ
)
す。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
▼ もっと見る
大理石色
(
なめいしいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
紅
(
あか
)
く、また
淡紅
(
うすあか
)
に
熟
(
じゆく
)
して今にも
溶
(
と
)
けさうな
大理石色
(
なめいしいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、おまへは
極
(
ごく
)
内證
(
ないしよ
)
で
花瓣
(
はなびら
)
の裏をみせてくれる、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
お
媼
(
ばあ
)
さんは、
今日
(
けふ
)
もうれしさうに
畑
(
はたけ
)
を
見廻
(
みまは
)
して
甘味
(
うま
)
さうに
熟
(
じゆく
)
した
大
(
おほ
)
きい
奴
(
やつ
)
を一つ、
庖丁
(
ほうてう
)
でちよん
切
(
ぎ
)
り、さて、さも
大事
(
だいじ
)
さうにそれを
抱
(
かゝ
)
えてかえつて
行
(
ゆ
)
きました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
其
(
それ
)
と
与
(
とも
)
に
一方
(
いつぱう
)
には小説雑誌の
気運
(
きうん
)
が
日増
(
ひまし
)
に
熟
(
じゆく
)
して来たので、
此際
(
このさい
)
何
(
なに
)
か発行しやうと
云
(
い
)
ふ
金港堂
(
きんこうどう
)
の
計画
(
けいくわく
)
が有つたのですから、
早速
(
さつそく
)
山田
(
やまだ
)
へ
密使
(
みつし
)
が
向
(
むか
)
つたものと見える
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
もしも
自然
(
しぜん
)
に
貝殼
(
かひがら
)
がつもつたものとすれば、そのうちには、きっと
食
(
た
)
べられない
幼
(
をさ
)
ない
貝
(
かひ
)
も
交
(
まじ
)
つてゐなければならないはずだのに、
大
(
おほ
)
きい
熟
(
じゆく
)
した
貝
(
かひ
)
ばかりであり
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
跛者
(
びつこ
)
で病身なために、あまり外へ出る機會もなく、從つて嫁の口も滅多にありませんが、
熟
(
じゆく
)
し切つて虫の附いた果物のやうな、何んともいへない不思議な魅力の持主でした。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
身動
(
みうごき
)
もせず
熟
(
じつ
)
として兩足を
組
(
くん
)
で
坐
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
ると、
園
(
その
)
を
吹渡
(
ふきわた
)
る
生温
(
なまぬ
)
くい
風
(
かぜ
)
と、半分
焦
(
こげ
)
た芭蕉の實や
眞黄色
(
まつきいろ
)
に
熟
(
じゆく
)
した
柑橙
(
だい/\
)
の
香
(
かほり
)
にあてられて、
身
(
み
)
も
融
(
とけ
)
ゆくばかりになつて
來
(
き
)
たのである。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
学士
(
がくし
)
ですの
何
(
なん
)
のと云ツた
処
(
ところ
)
で
味噌摺
(
みそすり
)
の
法
(
はふ
)
を
知
(
し
)
らずお
辞義
(
じぎ
)
の
礼式
(
れいしき
)
に
熟
(
じゆく
)
せざれば
何処
(
どこ
)
へ
行
(
いつ
)
ても
敬
(
けい
)
して
遠
(
とほ
)
ざけらる〻が
結局
(
おち
)
にて
未
(
ま
)
だしも
敬
(
けい
)
さるゝだけを
得
(
とく
)
にして
責
(
せ
)
めてもの
大出来
(
おほでき
)
といふべし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
兼
(
かね
)
て
工夫
(
くふう
)
慘憺
(
さんたん
)
の
由
(
よし
)
仄
(
ほのか
)
に
耳
(
みゝ
)
にせしが、
此度
(
このたび
)
いよ/\
機
(
き
)
熟
(
じゆく
)
しけん、
或
(
あるひ
)
は
他
(
た
)
に
慮
(
おもんぱか
)
る
處
(
ところ
)
ありてにや、
本月
(
ほんげつ
)
初旬
(
しよじゆん
)
横濱
(
よこはま
)
の
某
(
ぼう
)
商船會社
(
しやうせんくわいしや
)
より
浪
(
なみ
)
の
江丸
(
えまる
)
といへる一
大
(
だい
)
帆走船
(
ほまへせん
)
を
購
(
あがな
)
ひ、
密
(
ひそ
)
かに
糧食
(
りようしよく
)
、
石炭
(
せきたん
)
、
氣發油
(
きはつゆう
)
、
※卷蝋
(
くわけんらう
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
事定りてのち寺に於て
稽古
(
けいこ
)
をはじむ、
技
(
わざ
)
熟
(
じゆく
)
してのち初日をさだめ、
衣裳
(
いしやう
)
髢
(
かつら
)
のるゐは是を
借
(
かす
)
を一ツの
業
(
なりはひ
)
とするものありて
物
(
もの
)
の
不足
(
たらざる
)
なし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ナニ、
青
(
あを
)
いんでもかまひませんが、なるなら
黄色
(
きいろ
)
い
方
(
はう
)
がいゝ。
麥
(
むぎ
)
は
熟
(
じゆく
)
するほど
丈夫
(
ぢやうぶ
)
ですからね。この
細
(
ほそ
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
の
穗先
(
ほさき
)
の
方
(
はう
)
を
輕
(
かる
)
く
折
(
を
)
つてお
置
(
お
)
きなさい。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
然
(
しか
)
しながら
彼
(
かれ
)
はつく/″\と
忌々敷
(
いま/\し
)
い
其
(
その
)
心持
(
こゝろもち
)
に
熟
(
じゆく
)
して
居
(
ゐ
)
ながら
自分
(
じぶん
)
も
亦
(
また
)
他
(
た
)
の
虚
(
きよ
)
に
乘
(
じよう
)
ずることを
敢
(
あへ
)
てするのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
林檎の木よ、
發情期
(
はつじやうき
)
の壓迫で、身の内が
熱
(
ほて
)
つて重くなつた
爛醉
(
らんすゐ
)
、
情
(
なさけ
)
の
實
(
み
)
の
房
(
ふさ
)
、
粒
(
つぶ
)
の
熟
(
じゆく
)
した葡萄の
實
(
み
)
、
寛
(
ゆる
)
んだ帶の
金具
(
かなぐ
)
、花を飾つた酒樽、葡萄色の蜂の
飮水場
(
みづのみば
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
(七)
之
(
これ
)
を
右
(
みぎ
)
に
鼓
(
こ
)
す。
婦人
(
ふじん
)
大
(
おほい
)
に
笑
(
わら
)
ふ。
孫子
(
そんし
)
曰
(
いは
)
く、『
約束
(
やくそく
)
明
(
あきら
)
かならず、
(八)
申令
(
しんれい
)
熟
(
じゆく
)
せざるは、
將
(
しやう
)
の
罪也
(
つみなり
)
』と。
復
(
ま
)
た三
令
(
れい
)
五
申
(
しん
)
して
之
(
これ
)
を
左
(
ひだり
)
に
鼓
(
こ
)
す。
婦人
(
ふじん
)
復
(
ま
)
た
大
(
おほい
)
に
笑
(
わら
)
ふ。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
一冊
(
いつさつ
)
の本を三四十人して見るのでは
一人
(
ひとり
)
一日
(
いちにち
)
としても
一月余
(
ひとつきよ
)
かゝるので、これでは
奈何
(
どう
)
もならぬと
云
(
い
)
ふので、
機
(
き
)
も
熟
(
じゆく
)
したのであるから、
印行
(
いんかう
)
して
頒布
(
はんぷ
)
する事に
為
(
し
)
たいと
云
(
い
)
ふ
説
(
せつ
)
が
我々
(
われ/\
)
三名
(
さんめい
)
の
間
(
あひだ
)
に
起
(
おこ
)
つた
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
杤
(
とち
)
の
実
(
み
)
は八月
熟
(
じゆく
)
して
落
(
おつ
)
るをひろひ、
煮
(
に
)
てのち
乾
(
かはか
)
し、手に
揉
(
もみ
)
てあらき
篩
(
ふるひ
)
にかけて
渋皮
(
しぶかは
)
をさり、
簀
(
す
)
に
布
(
ぬの
)
をしきて
粉
(
こ
)
にしたるをおき、よくならし水をうちてしめらせ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼
(
かれ
)
は
只
(
たゞ
)
空腹
(
くうふく
)
を
凌
(
しの
)
ぐ
爲
(
ため
)
に
日毎
(
ひごと
)
に
不味
(
まづ
)
い
口
(
くち
)
を
強
(
し
)
ひて
動
(
うご
)
かしつゝあるのである。
疎惡
(
そあく
)
な
食料
(
しよくれう
)
は
少時
(
せうじ
)
からおつぎの
目
(
め
)
にも
口
(
くち
)
にも
熟
(
じゆく
)
して
居
(
ゐ
)
るので、
其處
(
そこ
)
には
何
(
なん
)
の
心
(
こゝろ
)
も
附
(
つ
)
かなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
麥畠
(
むぎばたけ
)
に
熟
(
じゆく
)
した
麥
(
むぎ
)
は、
父
(
とう
)
さんに
穗先
(
ほさき
)
の
方
(
はう
)
の
細
(
ほそ
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
と、
胴中
(
どうなか
)
の
方
(
はう
)
の
太
(
ふと
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
とを
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
熟
(
じゆく
)
しうみたるくだものゝ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
○
翁
(
おきな
)
がかくかたりし時
牧之
(
ぼくし
)
いらの
形状
(
けいじやう
)
をくはしくきかざりしが、
后
(
のち
)
に
案
(
あんず
)
るにいらとは
蕁麻
(
いらくさ
)
の事なるべし、
蕁麻
(
たんま
)
は本草に見えたる
草
(
くさ
)
の名也。
麻
(
あさ
)
の字に
熟
(
じゆく
)
したれば
麻
(
あさ
)
に
替
(
かへ
)
ても用ふべきものなるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
熟
常用漢字
小6
部首:⽕
15画
“熟”を含む語句
熟々
熟視
熟睡
早熟
成熟
爛熟
熟〻
半熟
熟柿
熟練
熟考
熟知
未成熟
黄熟
熟兎
未熟
熟慮
熟達
熟実
熟蝦夷
...