すゞし)” の例文
で、すべらしたしろを、若旦那わかだんなむねにあてて、うですやうにして、すゞしじつる。こびつたらない。妖艷無比えうえんむひで、なほ婦人ふじんいてる。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一條ひとすぢでもかぜもつれてますのを、したさき吸寄すひよせますと……かわいたくちすゞしつて、くちびるれたんですから。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
づこれからたうげかゝらうといふの、朝早あさはやく、もつとせんとまりはものゝ三ぐらゐにはつてたので、すゞしうちに六ばかり、茶屋ちやゝまでのしたのぢやが、朝晴あさばれでぢり/\あついわ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あでやかなかほ目前めさき歴々あり/\えて、ニツとわらすゞしの、うるんだつゆるばかり、らうする、となんにもない。たなそこさはつたのはさむあさひ光線くわうせんで、はほの/″\とけたのであつた。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)