やが)” の例文
けれども、やがてその人たちも、劍の平蔵谷に、長次郎谷に、そのモニューメントを残して各々おのおの山人らしくこの世を去ってゆくのであろう。
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)
停車場の食堂の入口で飲み始めたビールがやがてウイスキイに変る頃は十二時幾分かの汽車に乗るのがいやになって、一時三十五分の京都行に延ばす事にきめた。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
私は思はず眼を見開いてその方を見遣つたが、油のやうな闇で何にもわからぬ。と、やがて疊の音がする。此方へ來るのかなと想ふと私は一時にかつと逆上のぼせて吾知らず枕を外して布團をかついだ。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)