根岸正吉
1892 〜 1922
著者としての作品一覧
御国のために(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
歩いて帰れ、歩いて帰れ、 忠君愛国者よ。 東京から故郷まで一百三十里 お前は稼いだ、働いた。 熱心に着実に、ほめらるる迄、 海軍将校なる主人のために。 主婦のために。 男爵家のため …
読書目安時間:約1分
歩いて帰れ、歩いて帰れ、 忠君愛国者よ。 東京から故郷まで一百三十里 お前は稼いだ、働いた。 熱心に着実に、ほめらるる迄、 海軍将校なる主人のために。 主婦のために。 男爵家のため …
落ちぬ血痕(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
ヒ——ッアレ——ッ 女の悲鳴驚愕の叫び 機械は停まった。集える人は垣をなす。 されどされど 死せる工女がなぜ生きよう。 髪をシャフトに巻かれて振り廻された。 若い工女の死骸こそ 目 …
読書目安時間:約1分
ヒ——ッアレ——ッ 女の悲鳴驚愕の叫び 機械は停まった。集える人は垣をなす。 されどされど 死せる工女がなぜ生きよう。 髪をシャフトに巻かれて振り廻された。 若い工女の死骸こそ 目 …
織工(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
この一顆を大杉栄氏に呈す 彼は真の技術者にてありき。 躯幹偉大に筋骨たくましく 色浅黒き男なり。 其眼を見よ。 何物かを求めて止まぬ いずこにか何かを認めし其眼を見よ。 彼の父は放 …
読書目安時間:約2分
この一顆を大杉栄氏に呈す 彼は真の技術者にてありき。 躯幹偉大に筋骨たくましく 色浅黒き男なり。 其眼を見よ。 何物かを求めて止まぬ いずこにか何かを認めし其眼を見よ。 彼の父は放 …
場外(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
十二時間の勤めを終えて わざわざ郊外からやって来たのだ。 山を下り川を越え はるばる足尾からやって来たのだ。 それを此儘追返すとは ものの解らぬにも程がある。 「諸君! 開けずんば …
読書目安時間:約1分
十二時間の勤めを終えて わざわざ郊外からやって来たのだ。 山を下り川を越え はるばる足尾からやって来たのだ。 それを此儘追返すとは ものの解らぬにも程がある。 「諸君! 開けずんば …
須賀爺(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
須賀爺の面の憎さよ。 あの 額に寄する残忍の皺よ。 冷酷のまなざしよ。 憎らしき靨よ頬っぺたの穴よ。 須賀爺の面の憎くさよ。 今日も亦緯糸をたぐりしと叱りし。 解雇するぞとおどかせ …
読書目安時間:約1分
須賀爺の面の憎さよ。 あの 額に寄する残忍の皺よ。 冷酷のまなざしよ。 憎らしき靨よ頬っぺたの穴よ。 須賀爺の面の憎くさよ。 今日も亦緯糸をたぐりしと叱りし。 解雇するぞとおどかせ …
労働者大会(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
青年会館の正門へ‼ 要求は簡単である。 目的は単一である。 屋内が満員ならば、 屋外に入れよ。 門内は人子一人なき寂寞である。 之こそは 今宵此地に集れる 幾千人の要求である。 そ …
読書目安時間:約1分
青年会館の正門へ‼ 要求は簡単である。 目的は単一である。 屋内が満員ならば、 屋外に入れよ。 門内は人子一人なき寂寞である。 之こそは 今宵此地に集れる 幾千人の要求である。 そ …
我は労働者よ(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
廻せ!廻せ! 廻したくば何程でも廻せ。 如何に汝が廻すとも 機械の前に我等立たずば、 一寸の布も編まれぬであろう。 一尺の糸も紡がれぬであろう。 糸の一管さえ巻かれぬであろう。 我 …
読書目安時間:約1分
廻せ!廻せ! 廻したくば何程でも廻せ。 如何に汝が廻すとも 機械の前に我等立たずば、 一寸の布も編まれぬであろう。 一尺の糸も紡がれぬであろう。 糸の一管さえ巻かれぬであろう。 我 …