“そのところ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
其処50.0%
其所25.0%
其處12.5%
当処12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしは散歩したいにも其処そのところがない。尋ねたいと思う人は皆先に死んでしまった。風流絃歌の巷も今では音楽家と舞踊家との名を争う処で、年寄が茶をすすってむかしを語る処ではない。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
金中かねのなかの虫は肉眼ひとのめにおよばざる冥塵ほこりのごとき虫ゆゑに人これをしらず。およそ銅銕どうてつくさるはじめは虫をしやうず、虫の生じたるところいろへんず。しば/\これをぬぐへば虫をころすゆゑ其所そのところくさらず。
又七殿訴へなば大亂たいらんとなり白子屋の家名かめい立難たちがたしお常殿は女の事故其處そのところへ氣もつかれざるは道理もつともの事なれども能々よく/\勘辨かんべんありて隨分ずゐぶん又七殿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
辛未かのとひつじ、皇太子、使をまたして飢者を視しむ。使者かへり来て曰く、飢者既にまかりぬ。ここに皇太子おほいこれを悲しみ、則ちりて以て当処そのところほふりをさめしむ。つかつきかたむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)