“そこら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
其辺30.8%
其處等15.4%
其処等12.8%
其処辺12.8%
其邊7.7%
其処5.1%
其所等2.6%
其處2.6%
其那2.6%
四下2.6%
那辺2.6%
随処2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見ると、誰が何うして投ったか、一條の小柄こずかが相手の武士の首筋を縫って、血は庭石も浮くばかりに其辺そこらをひたして居ります。
閑話休題それはとにかく母子ふたり其處等そこらあるくと、いまつた、のお帳場ちやうばが、はしむかうの横町よこちやう一個ひとつあつた。無論むろん古道具屋ふるだうぐやなんです。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
恋の真実まことは苦労人にあるとか申してございますのも其処等そこらを研究したものでありましょうか。
多吉は大きい欠呻あくびをしながら出て来て、笑ひながら其処辺そこらにゐる生徒共を見廻した。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『百ねんてさうもかんでせうが、二十ねん其邊そこらびますよ。』ハヾトフはなぐさがほ。『なんんでもりませんさ、なあ同僚どうれう悲觀ひくわんももう大抵たいていになさるがいですぞ。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そしてその晩も、あくる晩も、また翌る晩もその石碑のもとに野宿をして、じつと石碑の文字に惚々ほれ/″\してゐるので、馬はとうと腹を立てて、其処そこらくさぱらにごろり横になつた。
おし莞爾にこ/\顏して我家へ這入はひりしあとにお光はまたこめ淅了とぎをはり我家の中に入し頃は護國寺のかね入相いりあひつげければ其所等そこら片付かたづけ行燈あんどうに火を照し附け明るけれどくらからぬ身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
立出て音羽の町へ至りつゝ路地へは入しが何處で聞んと其所等そこら迂路々々うろ/\爲しゝすゑ見れば大藤がとなりの家にて老婆一にんぜんに向ひ夜食やしよくと云へど未だ暮ぬ長日の頃の飯急めしいそぎ和吉は見やりて打點頭うちうなづき會釋ゑしやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何しろ此の家の財産の目星めぼしい物といふ物が殘らずさらけ出してあるのだが、其れが始末好く取片付とりかたつけられてゐるから、其處そこらがキチンと締ツて清潔せいけつだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
万歳の声が其那そこら一体——プラットフォームからも、停車場の中からも盛んに起ると間もなく汽車が着いたのでした。
昇降場 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
し一つ頭を捻向ねじむけて四下そこら光景ようすを視てやろう。それには丁度先刻さっきしがた眼を覚して例の小草おぐささかしま這降はいおりる蟻を視た時、起揚おきあがろうとして仰向あおむけけて、伏臥うつぶしにはならなかったから、勝手がい。
あへて恋しとにはあらねど、苦しげにやつれたる宮が面影おもかげの幻は、かしらめぐれる一蚊ひとつかの声の去らざらんやうに襲ひ来て、彼が切なる哀訴も従ひて憶出おもひいでらるれば、なほ往きかねて那辺そこらに忍ばずやと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
随処そこら尋ねんとて彼は又倉皇とつかは起ちぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)