其処辺そこら)” の例文
旧字:其處邊
植木屋と云うものは勝手なもので、一度手入れをさせたら、こっちで呼ばないのに、時々若い者を連れて仕事にやって来る。物の一月余りもこちこち其処辺そこらをいじって居る事がある。
多吉は大きい欠呻あくびをしながら出て来て、笑ひながら其処辺そこらにゐる生徒共を見廻した。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
此方こっちは百五十か其処辺そこらの金を見付出みつけだしてようや一盃いっぱい飲で帰る所だ。忌々敷いまいましい奴等だ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
美しい果実はまだ青い葉をつけたまま其処辺そこらに幾つも転がって出た。
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
真蔵はそれにはこたえず、其処辺そこらを見廻わしていたが
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)