“那辺(そこら)” の例文
敢(あへ)て恋しとにはあらねど、苦しげに羸(やつ)れたる宮が面影(おもかげ)の幻は、頭(かしら)を回(めぐ)れる一蚊(ひとつか)の声の去らざらんやうに襲ひ来て、彼が切なる哀訴も従ひて憶出(おもひい)でらるれば、なほ往きかねて那辺(そこら)に忍ばずやと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)