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鉗
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つぐ
ふりがな文庫
“
鉗
(
つぐ
)” の例文
といひかかるを、奥様目顔で制したまへば、老女は本意なげに口を
鉗
(
つぐ
)
みたれどさすがに老の繰言止め難くや、更に詞を
更
(
あらた
)
めて
磯馴松
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
ト
取外
(
とりはず
)
して言いかけて
倏忽
(
たちまち
)
ハッと心附き、
周章
(
あわて
)
て口を
鉗
(
つぐ
)
んで、
吃驚
(
びっくり
)
して、
狼狽
(
ろうばい
)
して、
遂
(
つい
)
に
憤然
(
やっき
)
となッて、「畜生」と言いざま
拳
(
こぶし
)
を振挙げて我と我を
威
(
おど
)
して見たが
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
高い男は中背の男の顔を
尻眼
(
しりめ
)
にかけて口を
鉗
(
つぐ
)
んでしまッたので
談話
(
はなし
)
がすこし
中絶
(
とぎ
)
れる。
錦町
(
にしきちょう
)
へ曲り込んで二ツ目の横町の角まで参った時、中背の男は
不図
(
ふと
)
立止って
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
かと思うとフト口を
鉗
(
つぐ
)
んで
真面目
(
まじめ
)
に成ッて、
憶出
(
おもいだ
)
したように
額越
(
ひたえご
)
しに文三の顔を
眺
(
なが
)
めて、笑うでも無く笑わぬでもなく、不思議そうな
剣呑
(
けんのん
)
そうな奇々妙々な
顔色
(
がんしょく
)
をする。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
鉗
漢検1級
部首:⾦
13画
“鉗”を含む語句
鉗子
鉗鎚
耳鉗
金鉗