“箝(つぐ)” の例文
何を云ッても取合わぬゆえ、お勢も仕方なく口を箝(つぐ)んで、少(しばら)く物思わし気に洋燈(ランプ)を凝視(みつめ)ていたが、それでもまだ気に懸ると見えて、「慈母さん」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そのうちにはまた睡気(ねむけ)がさしそうになる、から、ちと談話(はなし)の仲間入りをしてみようとは思うが、一人が口を箝(つぐ)めば、一人が舌を揮(ふる)い、喋々として両(ふた)つの口が結ばるという事が無ければ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
家内中寄集(よりこぞ)りて、口を解(ほど)いて面白そうに雑談(ぞうだん)などしている時でも、皆云い合したように、ふと口を箝(つぐ)んで顔を曇らせる、といううちにも取分けてお政は不機嫌(ふきげん)な体(てい)で、少し文三の出ようが遅ければ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)