“むくい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
62.8%
報酬11.7%
11.7%
応報3.2%
報償2.1%
應報2.1%
報賞1.1%
業報1.1%
刑罰1.1%
報恩1.1%
報責1.1%
応酬1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言うだけの事はないよ、——まるッきり、お前さんがよくばかりでだましたのでみた処で……こっちは芸妓げいしゃだ。罪もむくいもあるものか。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
獄卒らうもり捕吏とりてとは、維新前まで、先祖代々の職務つとめであつて、父はその監督の報酬むくいとして、租税を免ぜられた上、別に俸米ふちをあてがはれた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「本当だよ。った男が今晩ると、魔物も其処へ寐に行くんだよ。じきに其の男は病気になるだろうよ。豚を盗ったむくいさ。」
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「もう今に応報むくいは阿父さんにも……。阿母さん、間があんな目につたのは、決して人事ぢやありませんよ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
財産を天理様にささげてしまって、嬉々ききとして労役者ろうえきしゃの生活をして居る者もある。天理教で財産をって、其報償むくいを手あたり次第に徴集ちょうしゅうし、助けなき婆さんをいじめて店賃たなちんをはたる者もある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
『若い時の應報むくいさ。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「我がために人汝等を詬誶ののしり又迫害せめ偽わりて様々の悪言あしきことを言わん其時汝等は福なり、喜べ、躍り喜べ、天に於て汝等の報賞むくい多ければ也、そは汝等よりさきの予言者をも斯く迫害せめたれば也」
輿論に反して之を唱道するの報賞むくいは斯くも遠大無窮である。
皆王の前身舌二枚ある蜥蜴たりし業報むくいにかぶれ、いずれも不信実で、二枚舌使う者たるべしといったが、この予言通り、カンボジア人は不正直じゃとづ。
すなわち鏡を捧げた功徳で発願通り飛び切りの別嬪べっぴんに生まれるが、他の業報むくいで娼妓に生まるるを免れず、娼妓営業中五百人を欺いた報いで、牧牛人輩の発願そのまま
ふすまスウといて顔を見せしは、——女将ぢよしやうのお才「どうも松島さん、御気の毒様ですことねエ、これ流行妓はやりつこ情婦いろにした刑罰むくいですヨ、——待つ身のつらさが御解おわかりになりましたでせう、ホヽヽヽヽヽ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
かくて水退きて後、くだんの鼠青絹玉顆せいけんぎょくかささげて、奴に恩を謝せしとかや。今この阿駒もその類か。復讐ふくしゅう報恩むくいに復讐の、用に立ちしも不思議の約束、思へばのがれぬ因果なりけん。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
私たちは、こうして私たちの肉体と霊魂たましいを罰せねば、犯した罪の報償つぐのいが出来ないのです。この離れ島の中で、私たち二人が犯した、それはそれは恐ろしい悖戻よこしま報責むくいなのです。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
何のたたりじゃ応酬むくいじゃなんどと。眼指めざし指さしするのが世間じゃ。そんなサナカに自分の身内に。思いがけない精神病者が。ヒョイと出て来るサア一大事じゃ……チャカポコチャカポコ……
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)