あた)” の例文
新字:
あゝ孤獨こどく落魄らくばくこれが僕の運命うんめいだ。僕見たいなものが家庭を組織そしきしたら何うだらう。つまにはなげきをには悲しみをあたへるばかりだ。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
逆手さかてもちまゝうしなひてたふたりしかば是は何事なにごとならんと氣付きつけあたへて樣子やうすきく敵討かたきうちなりと申ゆゑ半左衞門はんざゑもんおほいに驚き早々さう/\町役人ちやうやくにん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
眞中まんなかには庭園ていえんがあり、噴水ふんすいえずみづし、あたりには青々あを/\しげつた庭木にはきゑてあり、あつなつでもすゞしいかんじをあた
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
カピ長 おゝ、モンタギューどの、御手おんてをばあたへさせられい。これをこそ愛女むすめへの御結納ごゆひなうともおもひまする、ほかのぞみとてはござらぬわい。
さく三十七ねん十二ぐわつ某夜ばうやことなりき、れいごと灌水くわんすゐへてじよくねむりきしもなく、何者なにものきたりて七福しちふくあたふとげたりとゆめむ。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
破片はへんでも報酬ほうしうあたへるとつたのに、破片はへんを、彼等かれらくす必用ひつよういのだから、まつた菱沼宅前ひしぬまたくまへからは、なになかつたのであらう。
勘次かんじ開墾かいこん手間賃てまちん比較的ひかくてき餘計よけいあたへられるかはりにはくぬぎは一つもはこばないはずであつた。彼等かれら伴侶なかまはさういふことをもつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
世人せじん金解禁きんかいきん出來できたならば、正貨せいくわ急激きふげき巨額きよがく積出つみだされ、其結果そのけつくわ經濟界けいざいかい非常ひじやう打撃だげきあたへるとつて心配しんぱいしてるが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
非常ひじやうなもんだよ。きみこといてくれた。おれ頭腦づなう明晰めいせきを一層確實そうかくじつ證據しようこだてる機會きくわいあたへてくれたこときみ感謝かんしやするね。ちたまへ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
たゞ享保元年きようほがんねん西暦せいれき千七百十六年せんしちひやくじゆうろくねん)にける新燃鉢しんもえばち噴火ふんかは、霧島噴火史上きりしまふんかしじようおいもつとはげしく、したがつて最高さいこう損害記録そんがいきろくあたへたものであつた。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
吾等われら幾年月いくねんげつ苦心慘憺くしんさんたんみづあわいや親愛しんあいなる日本帝國につぽんていこくために、計畫けいくわくしたことが、かへつてき利刀りたうあたへることになります。
其上そのうへ仕事しごとをさするにあらず、日夜にちやまゝにあそばせて、食物しよくもつ望次第のぞみしだいうみのもの、やまのもの、ふにまかせてあたへむに、かなし理由いはれきはずなり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ようするに、寫眞しやしんの本れうは、興味けうみはさういふ意味いみ記録きろくを、いひかへれば、過去くわこ再現さいげんして、おもひ出のたのしさや回想くわいそうの懷かしさをあたへるところにある。
周邊あたりはなしにはまれ立入たちいるのみで、質問しつもんをされたらけつして返答へんたふたことのい、ものも、ものも、あたへらるゝまゝに、時々とき/″\くるしさうなせきをする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そのうちとし段々だん/\片寄かたよつて、よる世界せかい三分さんぶんりやうするやうつまつてた。かぜ毎日まいにちいた。其音そのおといてゐるだけでも、生活ライフ陰氣いんきひゞきあたへた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
問題もんだい各自かくじその懷抱くわいほうするところ遠慮えんりよなく披瀝ひれきしたところのものが、所謂いはゆる建築けんちく根本義こんぽんぎ解決かいけつたいして如何いかなる暗示あんじあたへるか、如何いかなる貢献こうけんいたすかである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
女性じよせい無邪氣むじやきなる輕薄けいはくわらひ、さら一旦いつたんあたへたる財貨ざいか少娘こむすめ筐中きようちうよりうばひて酒亭一塲しゆていいちじやう醉夢すいむするのじようかしめついふたゝ免職めんしよくになりしこと
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
孤獨になればなる程、友がなければない程、たすけ手がなければない程、それだけ、私は自分を尊敬する。私は神のあたへ給ふた、人間の認める法律を守らう。
めばむほど顏色かほいろあをざめてくのが、燭臺しよくだいのさら/\するなかに、すごいやうなかんじを玄竹げんちくあたへた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
天下てんかたからといふものはすべてこれを愛惜あいせきするものにあたへるのが當然たうぜんじや、此石このいしみづかく其主人しゆじんえらんだので拙者せつしやよろこばしくおもふ、然し此石の出やうがすこはやすぎる
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
なほ何かをもとさがしてゐる時に、たれも一人としてその生命せいめいつなあたへてくれるものはありませんでした。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
ればよなとおもひながら、殊更ことさららずがほよそほひつゝ、主人あるじ御婦人ごふじんなるにや、さて何某殿なにがしどの未亡人びばうじんとか、さらずはおもひものなんどいふひとか、べつしてあたへられたる邸宅ていたくかとへば
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かういふあぢはひは、祖先そせん以來いらいあたへられてゐる大事だいじなものだから、それをうしなはないようにするのが、われ/\のつとめといふよりも、われ/\のよろこびとかんじなくてはなりません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
このはなしは一どういちじるしき感動かんどうあたへました。なかには遁出にげだしたとりさへあり、年老としとつた一かさゝぎ用心深ようじんぶかくも身仕舞みじまひして、『うちかへらう、夜露よつゆ咽喉のどどくだ!』としました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
いつも見慣みなれてゐるやぶたけなかにゐるひとですから、きっと、てんとしてあたへてくれたものであらうとかんがへて、そのうへせてかへり、つまのおばあさんにわたして
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
(二九)くわいおいて、(三〇)桓公くわんこう曹沫さうばつやくそむかんとほつす、管仲くわんちうつてこれしんにす。諸矦しよこうこれつてせいせり。ゆゑいはく、(三一)あたふるのるたるをるはまつりごとたからなり
みち出合であ老幼らうえうは、みな輿けてひざまづく。輿なかではりよがひどく心持こゝろもちになつてゐる。牧民ぼくみんしよくにゐて賢者けんしやれいするとふのが、手柄てがらのやうにおもはれて、りよ滿足まんぞくあたへるのである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
余はコロボツクルは一片の木切れにほそぼうの先をし當て、あたかも石錐を以て土器にあな穿うがつが如き運動をあたへ、引きつづきたる摩擦の結果けつくわとして熱を得煙を得、終に火を得たるならんと考ふ。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
岩石等がんせきなどおとして、おそろしいがいあたへることがあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
髑髏どくろあたへ、いでや出陣しゆつぢん立上たちあがれば、毒龍どくりようふたゝさく
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
捧ぐとあたへ行き過ぎぬ
かさぬ宿 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
たかしめしをあたふとは
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
また金解禁きんかいきん我國わがくに工業こうげふあたへる影響えいきやうついるに、我國わがくにおいては對米爲替相場たいべいかはせさうば大正たいしやうねん以來いらい平均へいきんドル乃至ないしドル下落げらくにして
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
ちゝなるものは蚊柱かばしらたつてるうまやそばでぶる/\とたてがみゆるがしながら、ぱさり/\としりあたりたゝいてうままぐさあたへてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
れるだらうから、此方こつちはいつたらからうとすゝめ、菓子くわしなどをあたへてうちに、あめ小歇こやみとなり、また正午ひるちかくなつた。
教場内きようじようないおいてはつくゑしたもつと安全あんぜんであるべきことは説明せつめいようしないであらう。下敷したじきになつた場合ばあひおいて、致命傷ちめいしようあたへるものははりけたとである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
アナスチグマツト——さういふ寫眞用語しやしんようごがいかに歴亂れきらんとしてわたし腦裡のうりうごき、いかに胸躍むねをどるやうな空想くうそうゑがかせ、いかに儚ない慰樂いらくあたへたことか?
わたしちゝわたし立派りつぱ教育けういくあたへたです、しかし六十年代ねんだい思想しさう影響えいきやうで、わたし醫者いしやとしてしまつたが、わたし其時そのときちゝとほりにならなかつたなら
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
宗助そうすけはそれをえないあいせいに、一種いつしゆ確證かくしようとなるべきかたちあたへた事實じじつと、ひとり解釋かいしやくしてすくなからずよろこんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
賣代うりしろなすならば少しばかりの錢にはならん父御のくちかなひし物を調とゝのへてなりまゐらせよとくだんくしあたへしかば娘は之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しん石崇せきそうあざな季倫きりんふ。季倫きりんちゝ石苞せきはうくらゐすで司徒しとにして、せんとするとき遺産ゐさんわかちて諸子しよしあたふ。たゞ石崇せきそうには一物いちもつをのこさずしてふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『はゝゝゝゝ。はらいたか。すつかりわすれてゐた。いまはんらせるが、まあそれまでに、このさかづきだけひとけてくれ。』と、但馬守たじまのかみひて玄竹げんちくさかづきあたへた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
都て不快な衝動しようどうあたへたにかゝはらず、しかも心には何んといふことは無く爽快そうくわいな氣が通ツて、例へば重い石か何んぞにせられてゐた草のが、不圖ふといしを除かれて
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
しかもこれはをんなはうから種々しゆ/″\問題もんだい持出もちだしてるやうだそして多少いくらうるさいといふ氣味きみをとこはそれに説明せつめいあたへてたが隨分ずゐぶん丁寧ていねいものけつして『ハア』『そう』のではない。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そのあかつきなにかいさゝか仕損しそこなゐでもこしらゆればれは首尾しゆびよく離縁りえんになりて、一ぽんだち野中のなかすぎともならば、れよりは自由じゆうにて其時そのとき幸福しやわせといふことばあたたまへとわらふに
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さうしてそれよりもなほ彼女かのぢよにとつておそろしいことは、一人前にんまへになつた子供こどもが、どんなふう母親はゝおやのその祕密ひみつ解釋かいしやくし、そしてどんなさばきをそれにあたへるだらうかといふことであつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
そしてこのひとうたが、新古今集しんこきんしゆううたふうに、非常ひじよう影響えいきようあたへたともられてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
したがつて吾々われ/\らずらずばけものからあたへられる趣味しゆみ如何いか豊富ほうふなるかは、想像さうざうあまりあることであつて、たしかにばけものは社會生活しやくわいせいくわつうへに、もつとくべからざる要素えうその一つである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
そいつは面白おもしろいねえ。『普通選擧ふつうせんきよ斷行だんかうせよ』『われ選擧權せんきよけんあたへよ』なんて葉書はがき毎日々々まいにち/\なんまい何萬枚なんまんまい衆議院しうぎゐんひこんだら、議員ぎゐんまんざららんかほをしてはられまい。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
ベンヺ もッと自由じいうあたへて、あちこちのほか美人びじんたらよからう。