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半左衞門
逆手に
持し
儘氣を
失ひて
倒れ
居たりしかば是は
何事ならんと
氣付を
與へて
樣子を
聞に
敵討なりと申
故半左衞門大いに驚き
早々町役人を
も見ずして
迯行けり然ば
松葉屋の二
階は
天地も
覆へるばかりの
騷ぎになり
主半左衞門を始として
皆々二
階へ
駈來り見るに
平四郎は
朱に
染苦痛の
有樣にのた
打廻り
居る
傍らに
瀬川は
懷劔を
此時大岡
殿松葉屋
半左衞門と呼れ其方
存ぜぬ事とは申ながら盜人の金を