あた)” の例文
ただただ九〇ふるあたをわすれ給うて、浄土じやうどにかへらせ給はんこそ、ねがはまほしき叡慮みこころなれと、はばかることなくまをしける。
戸を静かに明くれば、物のさわがしき音もなくて、此の二人ぞむかひゐたる。富子、豊雄にむかひて、君三五三何のあたに我をとらへんとて人をかたらひ給ふ。
一〇〇したしきをはかるべきのりにもたがひて、筆の跡だもれ給はぬ叡慮みこころこそ、今はひさしきあたなるかな。