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私
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あたし
ふりがな文庫
“
私
(
あたし
)” の例文
それで
私
(
あたし
)
が
専
(
もっぱ
)
ら案内役を
承
(
うけたまわ
)
ったんで、何か御覧になりたいものはって云ったら、阪神間の代表的な奥さんに会わせろって
仰
(
お
)
っしゃるの
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私
(
あたし
)
が
吃驚
(
びっくり
)
していると、その手でひとつ、招き猫のような格好をしておいて、鼻の下へもっていって
差恥
(
はにか
)
んだように首を縮めて笑う。
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
新吉は
微温
(
ぬる
)
い茶を
汲
(
く
)
んで出しながら、「
私
(
あたし
)
なんざ駄目です。小野君のように、体に楽をしていて金を
儲
(
も
)
ける
伎倆
(
はたらき
)
はねえんだから。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
さ「えゝ
私
(
あたし
)
ア是まで
寸白
(
すばく
)
を知りませんよ、それに
此間
(
こないだ
)
は又結構なお
香物
(
こう/\
)
をくだすって有難うございました、あれさ、お重ねよう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
沢子 ——秋ちやん、——あんたは
私
(
あたし
)
には、本当の姉さんの様に思へる。秋ちやんが居なかつたら私、もうとつくに死んでしまつてゐるわ。
疵だらけのお秋
(新字旧仮名)
/
三好十郎
(著)
▼ もっと見る
「それどころか、恐ろしい病気にかかってる
私
(
あたし
)
の子供もね、助けがなくて死ぬようなこともないでしょう。これで安心だわ。」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
人を入て
別話
(
わかればなし
)
を持出したから、
私
(
あたし
)
ゃもう踏んだり
蹶
(
け
)
たりの目に逢わされて、
口惜
(
くや
)
しくッて口惜しくッて、何だかもうカッと
逆上
(
のぼ
)
せッ
了
(
ちま
)
って
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その賞与だって、そっくり
私
(
あたし
)
の手に渡してくれるんじゃないんだからね。だけど近頃じゃ私たち二人はまあ隠居見たようなもので、月々食料を
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「もしもし姉さん、
私
(
あたし
)
……わかった? 今ねえ
私
(
あたし
)
中西屋さんに居んのよ、よれよれって云うんだもの……姉さん来ない? え? いらっしゃいよ、よ、ね?」
町の展望
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
私
(
あたし
)
どうしたんですか、歸る途中で急に息が苦しくなつて歩けなくなつたものですから、どうしたらいゝかと思つて、少らくあそこのところで休んでゐました
金魚
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
思ひ返して父に向ひ「ナニネお父さん、おッ母さんは今に帰つて来るだらふよ。何ぞ用ならその間、
私
(
あたし
)
が」
小むすめ
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「お気の毒さまですね。
私
(
あたし
)
すつかり身につまされちまつた。と言ふのはね……」と小説本を大事さうに畳みながら、「
家
(
うち
)
の人も
恰
(
ちやう
)
ど御主人と同じやうな病気でね。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「では、
私
(
あたし
)
がとんでまいりましては?」と、オウムが
籠
(
かご
)
の中から、羽ばたきをして言いました。
金のくびかざり
(新字新仮名)
/
小野浩
(著)
「でも、
私
(
あたし
)
、急に怖くなつたんですもの、——濟みませんけれど、八五郎さん代つて下さいな」
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まアそれで勘弁しておくれよ。
出入
(
ではい
)
りするものは重に
私
(
あたし
)
ばかりだから私さえ
開閉
(
あけたて
)
に気を
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「あなた
方
(
がた
)
がどなたも来て下さらないなら、ジムと
私
(
あたし
)
が行きます。」と母が言った。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
まあ
何
(
なん
)
て
上手
(
じょうず
)
に
脚
(
あし
)
を
使
(
つか
)
う
事
(
こと
)
ったら! それにからだもちゃんと
真
(
ま
)
っ
直
(
す
)
ぐに
立
(
た
)
ててるしさ。ありゃ
間違
(
まちが
)
いなしに
私
(
あたし
)
の
子
(
こ
)
さ。よく
見
(
み
)
りゃ、あれだってまんざら、そう
見
(
み
)
っともなくないんだ。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「
私
(
あたし
)
ア、置いてってくださいな、この土地へ」
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「……どうです。
私
(
あたし
)
が云った通りでしょう」
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
私
(
あたし
)
たちだって助けてやる
心算
(
つもり
)
でしたわ。」
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『叔父さんが
私
(
あたし
)
に同情してるわ。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私
(
あたし
)
の
家
(
うち
)
でも、いくつ弓張りや
手丸提燈
(
てまるちょうちん
)
に
灯
(
ひ
)
を入れて出してやったかわからない。議事堂です、議事堂ですと、
各自
(
みんな
)
が口々に言った。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「今度は
私
(
あたし
)
が人間で三人犬にならないか。私がお菓子や何かを投げてやるから、
皆
(
みんな
)
四つ這いになって其れを喰べるのさ。ね、いゝだろ」
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
無かろうもんならまた
何時
(
いつう
)
かのような
憂
(
つら
)
い思いをしなくッちゃアならないやアネ……だから
私
(
あたし
)
が言わない
事
(
こっ
)
ちゃアないんだ
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「なにこりゃ
私
(
あたし
)
の
持前
(
もちまえ
)
だから仕方がない。昔から
肥
(
ふと
)
った事のない女なんだから。やッぱり
癇
(
かん
)
が強いもんだからね。癇で肥る事が出来ないんだよ」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
兼「
私
(
あたし
)
も御新造様を竹ヶ崎までお送り申して、帰りにゃア是非半ちゃんに逢い
度
(
た
)
いから
私
(
あたし
)
の来た事を知らしてお呉れな」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どうしてあんな奴をこの辺に
放
(
ほう
)
っておくんでしょう。
私
(
あたし
)
の前歯二本を抜けなんて、ほんとに恐ろしいわ。髪の毛ならまた
生
(
は
)
えもしようが、歯はね。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「死んでもかまわないって云うのが本当だということは分っているけれどね……
私
(
あたし
)
はそれはこまるんです」
日記:19 一九三三年(昭和八年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
そうすると女は、途中で、あんまり遠いから、
私
(
あたし
)
はよして
家
(
うち
)
へかえりたいと言いました。ギンは
湖水の女
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「あるとも言い、ないとも言うが、
私
(
あたし
)
は見たことがないから何とも言えませんよ」
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
私
(
あたし
)
はまアそんなことは仕ない積りだが、それでも、ツイ忘れることが有るからね、お前さんも屑屋なんかに気を附けておくれよ。木戸から入るにゃ是非お前さん
宅
(
うち
)
の前を通るのだからね」
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
私
(
あたし
)
あ、うんとガアガア
言
(
い
)
ってやったけど、からっきし
駄目
(
だめ
)
!
何
(
なん
)
としても
水
(
みず
)
に
入
(
い
)
れさせる
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ないのさ。まあもっとよく
見
(
み
)
せてさ、うん、うん、こりゃあ
間違
(
まちが
)
いなし、七
面鳥
(
めんちょう
)
の
卵
(
たまご
)
だよ。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「
私
(
あたし
)
は、お目ざめのうたをうたって上げるわ。」と、オウムは言いました。
金のくびかざり
(新字新仮名)
/
小野浩
(著)
私
(
あたし
)
なんか一晩中ふるえていたわ。
青年と死
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私
(
あたし
)
はときものの興味を、今でも多分にもっている。背筋の上から、ずっと下の針止めに
鋏
(
はさみ
)
を入れておいて、ツーと一筋に糸をぬくのがすきだ。
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
だからお勢みたようなこんな親不孝な
者
(
もん
)
でもそう何時までもお
懐中
(
ぽっぽ
)
で
遊
(
あす
)
ばせても
置
(
おけ
)
ないと思うと私は苦労で苦労でならないから、
此間
(
こないだ
)
も
私
(
あたし
)
がネ
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
これは
私
(
あたし
)
でないと
面
(
めん
)
と向って誰もあなたに云えない事だと思うから云いますがね。——お秀さんに
智慧
(
ちえ
)
をつけられて来たと思っては困りますよ。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そんな会社の名、
私
(
あたし
)
は聞いたことあれへなんだ。———本店は
巴里
(
パリ
)
にあって、大資本の会社やねんてなあ」
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
小言
(
こごと
)
を
云
(
い
)
はれたので
態々
(
わざ/″\
)
買ひに
来
(
き
)
たんです、
何
(
ど
)
うか
私
(
あたし
)
に
宜
(
よ
)
さゝうな
世辞
(
せじ
)
があるなら二ツ三ツ見せて下さいな。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「おくみさん、もうお
寝
(
やす
)
みなさいな。十二時よ。
私
(
あたし
)
もそろ/\目をつぶりかけるわ。」
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「懲りてるのさ
私
(
あたし
)
、この前名古屋へ行った時、全くどこ歩いてるのか分らなかった」
町の展望
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「まあおめでたい人たちだわ。四十フランですとさ。ねえ、ナポレオン金貨二つだわ。どうして
私
(
あたし
)
にそんなお金がもうけられると思ってるんでしょう。ばかなものね、この田舎の人たちは。」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それに御宅は
御人数
(
ごにんず
)
も多いんだから
入用
(
いる
)
ことも入用サね。
私
(
あたし
)
のとこなんか二人きりだから
幾干
(
いくら
)
も
入用
(
いりゃ
)
ア仕ない。それでも三銭五銭と
計量炭
(
はかりずみ
)
を毎日のように買うんだからね、全くやりきれや仕ない
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
私
(
あたし
)
の歩き人形にはお
靴
(
くつ
)
を二つ。
金のくびかざり
(新字新仮名)
/
小野浩
(著)
私
(
あたし
)
だって
彼様
(
あん
)
な窮屈な
処
(
とこ
)
へ
行
(
い
)
くよか、芝居へ行った方が幾ら
好
(
い
)
いか知れないけど、石橋さんの
奥様
(
おくさん
)
に無理に誘われて
辞
(
ことわ
)
り切れなかったンだもの。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ここで一言いわせてもらえば、ここまで書いてきた日本橋で、
私
(
あたし
)
という子供が、すこしでも小利口に見えるようならば、書きかたが大変わるく、なっていないのだ。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「でも比田のいるうちは、いくら病身でも
無能
(
やくざ
)
でも
私
(
あたし
)
が生きていて
遣
(
や
)
らないと困るからね」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「やっぱり
私
(
あたし
)
が不注意やってんなあ。電話かけたりする時に何とかあの人
等
(
ら
)
に分らんような云い方もあってんけど、まさか子供に
教
(
お
)
せたりするとは思てえへんよってに、………」
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「すゞ子ちやん
私
(
あたし
)
もこんちは。」と、それは/\おほよろこびでかう言ひました。
ぽつぽのお手帳
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
姐
(
ねえ
)
さん
旦那
(
だんな
)
はあれツ
切
(
きり
)
入
(
い
)
らつしやらないか、
入
(
い
)
らつしやらないかツて、
度々
(
たび/\
)
私
(
あたし
)
に
聞
(
き
)
きますから、ナニ
早晩
(
いまに
)
屹度
(
きつと
)
入
(
い
)
らつしやるから
其様
(
そん
)
なに
心配
(
しんぱい
)
をおしでないよツて、
云
(
い
)
つてるんですもの
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“私”の意味
《人称代名詞》
(わたし、わたくし)一人称。
(出典:Wiktionary)
“私”の解説
私(し、わたくし)は、仕事場などの社会的集団の中における人間の属性と対比して、一個人としての属性を示すときに用いられる言葉である。
この意味における反対語は公(こう、おおやけ)である。例えば、「私用」は仕事に関係のない行動や物品を指し、「公用」はもっぱら仕事上の行動や仕事に用いる物品を指す。
(出典:Wikipedia)
私
常用漢字
小6
部首:⽲
7画
“私”を含む語句
私等
私語
私達
私通
私生児
私共
私宅
私室
私娼
私部
私刑
私窩子
歇私的里
私娼窟
私曲
私家
私怨
私事
私淑
私方
...