“憶起”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもいおこ66.7%
おもひおこ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
預けられてあった里から帰って来て、今の養家へもらわれて行くまでの短い月日のあいだに、母親から受けた折檻せっかんの苦しみが、憶起おもいおこされた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
猛然として憶起おもいおこした事がある。八歳やッつか、九歳ここのつの頃であろう。雛人形ひなにんぎょうきている。雛市は弥生やよいばかり、たとえば古道具屋の店に、その姿があるとする。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
憶起おもひおこす。……先生せんせいは、讀賣新聞よみうりしんぶんに、寒牡丹かんぼたん執筆中しつぴつちうであつた。横寺町よこでらまちうめやなぎのおたくから三町さんちやうばかりへだたつたらう。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
端無はしなく彼は憶起おもひおこして、さばかりはありのすさびに徳とも為ざりけるが、世間に量り知られぬ人の数の中に、誰か故無くして一紙いつしを与ふる者ぞ、我は今へいせられし測量地より帰来かへりきたれるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)