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憶起
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おもいおこ
ふりがな文庫
“
憶起
(
おもいおこ
)” の例文
預けられてあった里から帰って来て、今の養家へもらわれて行くまでの短い月日のあいだに、母親から受けた
折檻
(
せっかん
)
の苦しみが、
憶起
(
おもいおこ
)
された。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
猛然として
憶起
(
おもいおこ
)
した事がある。
八歳
(
やッつ
)
か、
九歳
(
ここのつ
)
の頃であろう。
雛人形
(
ひなにんぎょう
)
は
活
(
い
)
きている。雛市は
弥生
(
やよい
)
ばかり、たとえば古道具屋の店に、その姿があるとする。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小説でなければ決して見られない図であった。今でも
憶起
(
おもいおこ
)
すと
師宣
(
もろのぶ
)
の絵にありそうな二人の姿を眼前に彷彿する。九華もまた堂々たる風采であったが、眉山が余り美くし過ぎていた。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
こうした疑念が起ッたので、文三がまた叔母の言草、悔しそうな言様、ジレッタそうな顔色を一々漏らさず
憶起
(
おもいおこ
)
して、さらに出直おして
思惟
(
しゆい
)
して見て、文三は
遂
(
つい
)
に
昨日
(
きのう
)
の非を
覚
(
さと
)
ッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その身動きに、
鼬
(
いたち
)
の
香
(
におい
)
を
芬
(
ぷん
)
とさせて、ひょこひょこと
行
(
ゆ
)
く
足取
(
あしどり
)
が
蜘蛛
(
くも
)
の巣を渡るようで、
大天窓
(
おおあたま
)
の
頸窪
(
ぼんのくぼ
)
に、
附木
(
つけぎ
)
ほどな腰板が、ちょこなんと見えたのを
憶起
(
おもいおこ
)
す。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
この瞬間、誰が、その藍染川、忍川、不忍の池を眺めた雪の糸桜を
憶起
(
おもいおこ
)
さずにいられよう。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
面喰
(
めんくら
)
った
慌
(
あわただ
)
しい中にも、忽然として、いつぞのむかし吉原の横町の、ずるずる
引摺
(
ひきず
)
った青い
裳
(
すそ
)
と、
紅
(
あか
)
い
扱帯
(
しごき
)
と、
脂臭
(
やにくさ
)
い吸いつけ煙草を
憶起
(
おもいおこ
)
すと、憶起す要はないのに、独りで恥しくなって
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
憶
常用漢字
中学
部首:⼼
16画
起
常用漢字
小3
部首:⾛
10画
“憶”で始まる語句
憶
憶出
憶良
憶度
憶測
憶劫
憶病
憶面
憶付
憶却