“おもいおこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
憶起40.0%
思起33.3%
想起26.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
猛然として憶起おもいおこした事がある。八歳やッつか、九歳ここのつの頃であろう。雛人形ひなにんぎょうきている。雛市は弥生やよいばかり、たとえば古道具屋の店に、その姿があるとする。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
上野駅での出来事を思起おもいおこした刹那せつな猿轡さるぐつわと手足の繩目なわめを幻想したが、どうして、繩目どころか、全く自由な身体で、彼はその長椅子のクッションに深々と横わっていたのである。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
この土地では大正開拓期の盛時を想起おもいおこさせる一隅に在ったのも、わたくしの如き時運に取り残された身には、何やら深い因縁があったように思われる。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)