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思起
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おもいおこ
ふりがな文庫
“
思起
(
おもいおこ
)” の例文
そういう話を聞いた時、わたくしは
直
(
すぐ
)
にモーパサンの「還る人」Le Retour と題せられた短篇小説を
思起
(
おもいおこ
)
した。
噂ばなし
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
上野駅での出来事を
思起
(
おもいおこ
)
した
刹那
(
せつな
)
、
猿轡
(
さるぐつわ
)
と手足の
繩目
(
なわめ
)
を幻想したが、どうして、繩目どころか、全く自由な身体で、彼はその長椅子のクッションに深々と横わっていたのである。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それのみならず去年の夏の末、お糸を
葭町
(
よしちょう
)
へ送るため、
待合
(
まちあわ
)
した
今戸
(
いまど
)
の橋から眺めた
彼
(
あ
)
の大きな
円
(
まる
)
い円い月を
思起
(
おもいおこ
)
すと、もう舞台は舞台でなくなった。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私は何のいわれもなく山の手のこの
辺
(
あたり
)
を中心にして江戸の狂歌が勃興した
天明
(
てんめい
)
時代の風流を
思起
(
おもいおこ
)
すのである。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それらの光景は私の眼には
直
(
ただち
)
に
北斎
(
ほくさい
)
の画題を
思起
(
おもいおこ
)
させる。いつぞや
芝白金
(
しばしろかね
)
の
瑞聖寺
(
ずいしょうじ
)
という名高い
黄檗宗
(
おうばくしゅう
)
の禅寺を見に行った時その門前の閑地に一人の男が
頻
(
しきり
)
と元結の車を繰っていた。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
鉄橋と
渡船
(
わたしぶね
)
との比較からここに
思起
(
おもいおこ
)
されるのは立派な
表通
(
おもてどおり
)
の街路に対してその間々に隠れている
路地
(
ろじ
)
の興味である。擬造西洋館の商店並び立つ表通は丁度電車の往来する鉄橋の趣に等しい。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
何人
(
なんぴと
)
か、何事か。忘れしものを
思起
(
おもいおこ
)
すに
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
思
常用漢字
小2
部首:⼼
9画
起
常用漢字
小3
部首:⾛
10画
“思”で始まる語句
思
思召
思出
思案
思惑
思惟
思慮
思想
思切
思遣