“ほしいまま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホシイママ
語句割合
57.9%
22.4%
6.6%
6.0%
放肆2.7%
放縦2.2%
0.5%
奔放0.5%
0.5%
0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この非倫な牧師は信者に懺悔をしいて秘密を告白させては、相手の弱点をにぎり、それをたねに脅迫して、獣欲をほしいままにし、私財を蓄えていたのです。
悪魔の聖壇 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
然レドモ同一ノ人民ヲ目的ト為シテ強奪ヲほしいままニシ悪俗ヲ改メシメズンバ、ついニハ自主自裁ノ特権ヲ以テ国内ヲ悩マスニ至ルベシ。
手下四五人、稲葉太郎荒象園の鬼門おにかど彼処かしこに有りて威をほしいままにす。われは黙して俯向うつむきぬ。国麿はじりりと寄りて、
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
高低のある広い地は一面に雑草を以ておおわれていて、春は摘草つみくさ児女じじょの自由に遊ぶに適し、秋は雅人がじんほしいままに散歩するにまかす。
露西亜ロシアほしいままに人の国を侵略するということに付いて、英仏は露西亜ロシアに向って戦いを開いたのである。
東亜の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
湘王しょうおうはくいつわりてしょうを造り、及びほしいままに人を殺すを以て、ちょくくだして之を責め、兵をってとらえしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そういう時には多く道理をもって判断せずして感情を以て愛憎あいぞうほしいままにします。感情を肆にする結果が恋愛という過失におちいって自ら不幸の運命を作り出します。それではどうしたらいいでしょう。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その豪遊をほしいままにして家産を蕩尽とうじんしたのは、世の知る所である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
是を以て九天邪を斬るの使を設け、十地悪を罰するの司を列ね、魑魅魍魎ちみもうりょうをして以てその奸を容るる無く、夜叉やしゃ羅刹らせつをして、その暴をほしいままにするを得ざらしむ。
牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
月に三度あるいは二度、十四から通うて二十はたちの今まで、いわゆる玉の輿こしがこの門に在ることは、あえて珍しくはないのであったが、かくまで道を塞いで、ほしいままに横附けになっていたのは、はじめて。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さて次に私が打下す第二石はもはやほしいままに現われる白色の二番星ではない。
独り碁 (新字新仮名) / 中勘助(著)
当時島原一円の領主であった松倉重次しげつぐは惰弱の暗君で、いたずらに重税をほしいままにした。
島原の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
これはそう細いという方でもないが、何処どこ成島柳北なるしまりゅうほくの感化を思わせる心の持方で、放肆ほしいまま男女おとこおんな臭気においぐような気のすることまで、包まずおおわずに記しつけてある。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
庭を隔てて明るく映る障子の方では、放肆ほしいままな笑声が起る。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
今の姑は武家育ちの教養に欠けたところのないような婦人で、琴もひけば、うたいもうたい、歌の話もするが、なにしろ尾州藩の宮谷家から先代菖助の後妻に来た鼻のたかい人で、その厳格さがかえって旦那を放縦ほしいままな世界へと追いやったかとおもって見ることもある。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
暗黒の間悪人はその悪をほしいままにしてその手を高く挙げて悪に従う。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
互に当時の流行を競い合っての風俗は、華麗はでで、奔放ほしいままで、絵のように見える。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しこうしてまた自から詫びて曰く、「挙世一士無し、吾にほしいままにせしむ第一流」と。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「去年は倭奴わど上海をおびやかし、今年は繹騒えきそう姑蘇こそのぞむ。ほしいままに双刀を飛ばし、みだりにを使う、城辺の野草、人血まみる」。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)