トップ
>
放肆
>
ほしいまま
ふりがな文庫
“
放肆
(
ほしいまま
)” の例文
どうかすると自分ながら驚くばかり
放肆
(
ほしいまま
)
な想像——そういうものが抑えに抑えようとしている
精神
(
こころ
)
の力を破って紙の上に
迸
(
ほとばし
)
って出て来ていた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
東京で思いがけなく男に逢えたお島は、二三日の
放肆
(
ほしいまま
)
な遊びに疲れた
頭脳
(
あたま
)
に、浜屋のことと、若い裁縫師のこととを、一緒に考えながら、ぼんやり停車場を出て来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
とにかくしんみりと身も心をも打ち込んで、靜かな感興を
放肆
(
ほしいまま
)
にしてゐたに相違ない。所が
不圖
(
ふと
)
何ごころなく眼を書物から外すと、すぐ自分の居る對岸に一個の男が佇んで釣竿を動かして居る。
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
彼は性来の臆病から、
仮令
(
たとえ
)
自分で自分に知れる程度にとどめて置いたとは言え、自然を
蔑視
(
さげす
)
み
軽侮
(
あなど
)
らずにはいられないような
放肆
(
ほしいまま
)
な想像に一時身を任せた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
知らない顔の客のことで、口を掛ければ直ぐに飛んで来るような、
中年増
(
ちゅうどしま
)
の
妓
(
おんな
)
が傍へ来て、先ず酒の興を助けた。庭を隔てて明るく映る障子の方では、
放肆
(
ほしいまま
)
な笑声が起る。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
これはそう細いという方でもないが、
何処
(
どこ
)
か
成島柳北
(
なるしまりゅうほく
)
の感化を思わせる心の持方で、
放肆
(
ほしいまま
)
な
男女
(
おとこおんな
)
の
臭気
(
におい
)
を
嗅
(
か
)
ぐような気のすることまで、包まず
掩
(
おお
)
わずに記しつけてある。思いあたる
事実
(
こと
)
もある。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“放肆”の意味
《名詞》
気儘でだらしないさま。
(出典:Wiktionary)
放
常用漢字
小3
部首:⽁
8画
肆
漢検1級
部首:⾀
13画
“放”で始まる語句
放
放蕩
放埒
放擲
放火
放縦
放恣
放逐
放埓
放免