“打棄:うっちゃ” の例文
“打棄:うっちゃ”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花24
三遊亭円朝7
堀辰雄5
中里介山3
室生犀星2
“打棄:うっちゃ”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 地理・地誌・紀行 > アジア50.0%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸14.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
打棄うっちゃっておけ、もう、食いに出て来る。」私はそばの男たちの、しか言うのさえ聞える近まにかくれたのである。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「仏ではなお打棄うっちゃってはかれない、人の声じゃ、お爺さん、明けて見よう、誰かくるしんでいるようだよ。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そういう都合なら分るまで打棄うっちゃって置け。分ったところが金がないから行けないと言えばどうにか方法が立ちましょう」と
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
道々お医者さんをして来ればもうかるのに、それを打棄うっちゃって来るという始末で俺あ惜しくてたまらなかった。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
竹「私は少しも知らないので、何か無駄書むだがき流行唄はやりうたかと思いましたから、丸めて打棄うっちゃってしまいました」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
きょうはA君と若き哲学者のO君とに誘われるがままに、僕も朝から仕事を打棄うっちゃって、一しょに博物館や東大寺をみてまわった。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
アッサリ打棄うっちゃられたが、私のヘボ碁には出来すぎた碁で、黒白童子や覆面子を感心させ、呉氏もほめていたそうだ。
呉清源 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「俺、棄児すてごだからな、物心ものごころを知らねえうちに打棄うっちゃられただから、どこで生れたか知らねえ」
わしは子供の時分、なんでもこの街道へ打棄うっちゃられたのを大先生おおせんせいが拾って下すったとなあ。
ただ此処ここ霊山れいざんとか申す事、酒をこぼしたり、竹の皮を打棄うっちゃったりするところではないのでございます。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「隠さず、白状をなすったから、私がつかまってくのは堪忍して上げます。……打棄うっちゃった清葉さんもえらいけれども。……」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お妙さんの相談をしようと云うんなら、先ず貴女から、名誉も家も打棄うっちゃって、誰なりとも好いた男と一所になるという実証をお挙げなさい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蔦ちゃんが、手を突込んだ糠味噌なんざ、打棄うっちゃるのはおしいから、車屋の媽々かかあに遣りさ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
打棄うっちゃっておくと伊呂波いろは四十八文字を、みんな書きそうな形勢になって来たのには、持って生れたブッキラ棒の吾輩も負けちゃったね。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いくら放任教育でも有繋さすがにお客のさかな掠奪りゃくだつするを打棄うっちゃって置けないから
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
自分の頭の上でこんな捫着もんちゃくを始められては、市之助ももう打棄うっちゃって置かれなくなった。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「僕のことなんか打棄うっちゃっておいて呉れ。無鉄砲をわらわれる資格は充分に有るのだから……」
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「お客だい、誰も来やしないよ、おまい。」と斜めに肩ごしに見遣みやったまま打棄うっちゃったようにもののすッきり。かえすことばもなく、
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と唾吐くように、忌々いまいましそうに打棄うっちゃって、子爵は、くるりと戸外おもてを向いた。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それでも打棄うっちゃって置くと殺されるじゃあないか、とりを寄越せってうんだもの。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ただ聞いてはいられない、……お互に人のだよ。お前、小児を捨ちまったと云うのは? 構いつけない、打棄うっちゃってあるという意味なのかい。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「こうなると主人のかたきだから、打棄うっちゃっては置かれない。宗匠も助太刀に出て下さい」
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
妹ぐるみ打棄うっちゃった、……いや間淵洞斎が打棄られた女房の、あと二度目の女房なのです。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その 私どうしたらいでしょう——こんなもの、掃溜へ打棄うっちゃって来るわ。(立つ。)
錦染滝白糸:――其一幕―― (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いねえ水を上げたところは、と珍らしがって居りますが、長くけて置けばばら/\と落ちて来ますから、あゝきたない打棄うっちゃってしまえと
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
打棄うっちゃってそっと逃げるなどというは武家の法にないから、困却を致して居りました。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
美しいひとは、そんなものは、と打棄うっちゃる風情で、とまた幕に向って立直った。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おう、そんなもなあ、まだるッこしい。今にわっしゃそこにいてるのに口をつけて干しちまうから打棄うっちゃっておきねえ。はははは、ええ島野さん。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何じゃい。」と打棄うっちゃったように忌々いまいましげにつぶやいて、頬冠ほおかぶりを取って苦笑にがわらいをした、船頭は年紀とし六十ばかり
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
畠の隅に桃の木が生えたのを打棄うっちゃって置いたら、いつの間にか花が咲くようになった。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
おのれ、荒神様がついてござる、猿智慧さるぢえだね、打棄うっちゃっておかっせえまし。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貝ノ馬介はもうどうにも自制の利かない、先々の考えを打棄うっちゃる時にかかっていた。
で、私は仕事の方はそのまま打棄うっちゃらかして、毎日のように散歩ばかりしていた。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
勿体ない打棄うっちゃった処で犬だって困るだろうと謂ったじゃあねえか、犬だって困るよ、命取をよ、亭主が食ってるのを見て汝一人助かりゃ可いのかい、やい、七面鳥。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうして長い間お前のために打棄うっちゃって置いた自分の仕事に取りかかり出した。
風立ちぬ (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「実はおまかせ申したいんです。どぶ打棄うっちゃらないで、一本松へ。」
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また春が来ますと、大空にはいつの間にか紙鳶たこの揚がっているのが目につき同時に今まで打棄うっちゃってあった野良の田畑にぽつぽつと百姓の姿を認めるようになります。
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
串戯じょうだんじゃない。」と余りその見透みえすいた世辞の苦々にがにがしさに、織次は我知らず打棄うっちゃるように言った。とそのことばが激しかったか、
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
田舎を打棄うっちゃって、こんな処へ来て暮そうって人なんだから、人はいけれども商売は立行たちゆかないで、照吉さんには、あの、重荷に小附こづけとかですってさ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
深い決意の色があらわれているのを見ましたが、打棄うっちゃっておきました。
鉄の処女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
私ゃお祖父さんのことばかり考えて、別に何にも良人さきの事は思わないもんだから、ちょいと見たばかりで、ずんずん葛籠つづらなかへしまいこんで打棄うっちゃっといたわ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
打棄うっちゃっておくと警官の一人や二人絞め倒おしかねないんだ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
打棄うっちゃって行きたいけれど、それではねるに当るから。
湯島の境内 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「構わない、構わない、打棄うっちゃって——そこへ打棄って——」
「人形食い結構、あんな方に好かれたら、ほんとにわたしは、三年連れ添う御亭主を打棄うっちゃっても行きますわ、けれどもお気の毒さま、あちら様で、わたしなんぞは眼中にないのですからね」
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
が、それを言いかけたなり、すこし躊躇ためらっていたようだったが、それから急にいままでとは異った打棄うっちゃるような調子で、「そんなにいつまでも生きて居られたらいいわね」と言い足した。
風立ちぬ (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
どうしべいな、長アくして思案のしていりゃ、遠くから足のさき爪立つまだって、お殺しでない、打棄うっちゃっておくれ、御新姐ごしんぞは病気のせいで物事ものごと気にしてなんねえから
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
清「恒マア待て、よしねえ、打棄うっちゃっておけ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ただ挨拶あいさつをしたばかりの男なら、私は実のところ、打棄うっちゃっておいたに違いはないが、快からぬ人と思ったから、そのままで見棄てるのが、わざとするようで、気が責めてならなんだから、
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「はぐりをうっちゃれよ、打棄うっちゃれよ」
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私の留守の間、すっかり打棄うっちゃらかしてあったので、草も木も茂るがままに茂っていたところへ、程もなく長雨ながさめになってしまったものだから、前よりも私の家は一そう鬱陶うっとうしい位であった。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
かれは第一に何故にそのハッとした気もちになるか、なぜ胸を小衝こづかれたような心もちになるか、そして又なぜに自分の視覚がその咄嗟とっさの間にどぎまぎして、いままで眺めていたものを打棄うっちゃって
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
何故どころのこっちゃアございません、わたくしの生れた年ですから二十九年めえの事です、私を温泉のある相州の湯河原の山ん中へ打棄うっちゃったんです、只打棄るのア世間に幾許いくらもございやすが
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「それに、貴下あなた打棄うっちゃっておいでなすったと聞きました、その金剛杖こんごうづえまで、一揃ひとそろい、驚いたものの目には、何か面当つらあてらしく飾りつけたもののように置いてある。……」
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いいえ、銑さんが煙草たばこを出すと、早附木マッチがないから、打棄うっちゃっておくと、またいつものように、煙草には思いりがない、監督のようだなんて云うだろうと思って、気を利かして、ちょうど、あの店で、」
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
打棄うっちゃり放す。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そしてただ相手がたかちゃんだけでは何んだか物足りなさそうにしながらも、しかし何処かへ打棄うっちゃらかしておいた、小さな皿や茶碗ちゃわんなどを一所懸命にき集めて、前と同じようなままごとを二人だけでしはじめた。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
おらア旦那はどうも彼処あすこはいいが腹ア立っていけねえとか何とか思う事があるものだが、おたげえにいけねえと思うと、一つとこにいるのがやになるから、いけねえとこは取って打棄うっちゃってしまって
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「そうさな。まさか私だって、縁日の売薬みたいに、あれを看板に懸けちゃ置かん、骨を拾った気なんだから、何も品物をおしみはせんが、打棄うっちゃっておきたまえ。そんな事を気にするのはくないからしたがかろう。」
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
父親の方はというと毎日どこかへ家畜の検疫に出掛けて、時によると三日も続けて家をあけることがあるので、オーレンカはサーシャが両親にすっかり打棄うっちゃられて、一家の余計者扱いにされ、じにしかけているような気がしてならなかった。
可愛い女 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私ゃもうとうにからそこへ気が着いて厭になって、今じゃ堅気になっているよ。ね、お前さん、厭な姿は、蛇が自分でも可い心持じゃあなかろうではないか。蚊でものみでも食ったのが、ぶつぶつ一面に並んでみな、自分の体でも打棄うっちゃりたいやな。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
食物くいもなア大変八釜やかましい、鰹節かつぶしなどを山の様に掻いて、煮汁にしるを取って、あとは勿体ないと云うのに打棄うっちゃって仕まうだ、己淋しくねえように、行って三味線弾いては踊りを踊ったり何かするのだがね彼処あすこは淋しい土手下で
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「然しだけ余計だよ。そんなことは打棄うっちゃってしまうさ。……がまあ、今晩はゆっくり話をしよう。そして、このことは達子には内密ないしょにしといてくれ給い。彼女あれの心を苦しめたくないからね。」そして禎輔は何かを恐れるもののように室の中を見廻した。
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
外に悪い事もなし、又小兼も足掛二年の野郎をたてすごしにしたというは、芸者に似合わねえ感心な親切者と思って居ると、とう/\女は江戸のうち打棄うっちゃって、態々わざ/\んな田舎まで尋ねて来て、是非半治の女房にさして呉れろとまでも云い
が、このまま滞留すれば病気は益々重るばかりで、終には取返しが付かなくなるのがいていながら万に一つ帰朝すれば恢復かいふくする望みがないとも限らないのを打棄うっちゃって置くべきでないと、在留日本人の某々等は寄ってたかって帰朝を勧告した。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
茂「お前さんの云う事は何んだか薩張さっぱり分りませんが、男女なんにょとも此の儘何うも捨置く事は出来ません、御意見に背くようですが親父の前へ対しても打棄うっちゃっちゃア置かれませんから、私は彼奴あいつを斬らずにゃア置きません、何うぞお手をお引き下さいまし」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その土地で、ちょっとした呉服屋に思われたが、若い男が田舎気質かたぎかッ逆上のぼせた深嵌ふかはまりで、家も店もつぶしたはてが、女房子を四辻へ打棄うっちゃって、無理算段の足抜きで、女を東京へ連れてげると、旅籠住居はたごずまいの気を換える見物の一夜。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうしてつい今しがたの私の奇妙な錯覚は、その時からすでに経過してしまった数年の間、しそれがそのままに打棄うっちゃられてあったならば、恐らくはこんな具合ぐあいにもなっているであろうに……という私の感じの方が、その当時の記憶が私に蘇るよりも先きに、私に到着したからにちがいなかった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)