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打捨
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うっちゃ
ふりがな文庫
“
打捨
(
うっちゃ
)” の例文
打捨
(
うっちゃ
)
るようにいった田代のそのいいかたのかげにすこしの狼狽のほのめくものがあった。そういえば——そういえば
昨日
(
きのう
)
でも……
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「なるほど。」と蘿月は
頷付
(
うなず
)
いて、「そういう事なら
打捨
(
うっちゃ
)
っても置けまい。もう何年になるかな、
親爺
(
おやじ
)
が死んでから……。」
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それでも番頭代りに
打捨
(
うっちゃ
)
れないで、おもちゃにしていたが、その浅公を前に置いて、思うさまふざけた真似をして見せたが、浅公泣きながら
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
隅「なんだい手を振上げてどうする積りだい、怖い人だね、さ
打
(
ぶ
)
つなら打って御覧、是程の傷が出来ても水街道の麹屋が
打捨
(
うっちゃ
)
っては置かないよ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それを
打捨
(
うっちゃ
)
って駈け落ちをするわけにも行かないので、ともかくも師匠をなだめて無事に帰したんですが、それから間もなく師匠はどっと寝付くようになって
半七捕物帳:05 お化け師匠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
... 載せた切りで
打捨
(
うっちゃ
)
っておきますから灰は溜まる、火は弱くなる、何分間で出来ると
伺
(
うかが
)
ったものもなかなかその通りに出来ません。全く火加減のためですね」お登和嬢
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
これが彼奴の持っていた一番上等のだからね。また実際好い物だよ。私でもこれを手に入れなかろうものなら、他の奴等はむざむざと
打捨
(
うっちゃ
)
ってしまうところなんだよ。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
やあ火の玉の親分か、わけがある、
打捨
(
うっちゃ
)
っておいてくれ、と力を限り払い
除
(
の
)
けんと
踠
(
もが
)
き
焦燥
(
あせ
)
るを、
栄螺
(
さざえ
)
のごとき
拳固
(
げんこ
)
で
鎮圧
(
しず
)
め、ええ、じたばたすれば
拳
(
は
)
り殺すぞ、馬鹿め。
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ところで、手押し車なぞは、
打捨
(
うっちゃ
)
ッて行け。目ぼしい物だけ箱馬車の方へ移して、無二無三、馬の尻をしッぱだき、ここから
山東
(
さんとう
)
の方へ、車輪が
壊
(
こわ
)
れるまで急いで
馳
(
か
)
けろ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道のどまん中にしら/″\と
打捨
(
うっちゃ
)
られたように立っているのが、水の上の鈍く光るのと一しょに、あたりのさまを一層霜げたものにみせた。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
そのいたずらは鐘楼から釣鐘を下ろして、それを山門の外へ持って行って
打捨
(
うっちゃ
)
ったのであります。
翌
(
あく
)
る朝になって寺の坊さんたちが驚きました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
といよ/\突詰めた様子でげすから、小主水ももう仕方がありません、この上は
打捨
(
うっちゃ
)
っておけば大騒ぎになるんですから、ます/\
不愍
(
ふびん
)
は加わります。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
時々に里へ出て来て鶏や野菜などを
掻
(
か
)
っ
攫
(
さら
)
って
行
(
ゆ
)
くけれども、まあ
其
(
その
)
位のことは
打捨
(
うっちゃ
)
って置くのさ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
打捨
(
うっちゃ
)
って置いても、どうせ日傭い女は一番に来るのだ」と、最初に這入って来た女は叫んだ。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
いつ
蘭丸
(
らんまる
)
にのっそりの領地を
与
(
や
)
ると云いました、私は今にもしもあいつが親方の言葉に甘えて名を
列
(
なら
)
べて塔を建てれば
打捨
(
うっちゃ
)
ってはおけませぬ、
擲
(
たた
)
き殺して
狗
(
いぬ
)
にくれますこういうように擲き殺して
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「どうも相済みません、なあに、ちっとばかりこっちの
悪戯
(
いたずら
)
が過ぎたから、それでこんな目に遭ったんでございます、
打捨
(
うっちゃ
)
っておいて下さいまし」
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その
家々
(
うち/\
)
の
風
(
ふう
)
で変りはありますが、
敵娼
(
あいかた
)
の義理から外の
女郎
(
じょろう
)
を仕舞わせるほど馬鹿々々しいものはありますまい。それぐらいなら
溝
(
どぶ
)
の中へ
打捨
(
うっちゃ
)
る方が遥かましでしょう。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もう
打捨
(
うっちゃ
)
っては置かれませんから、わたくしが駈け込んで止めました。そうして訳を訊きますと、七之助さんの眼にもやっぱりおふくろさんの顔が猫に見えたんだそうです。
半七捕物帳:12 猫騒動
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「いって来たっていゝじゃァねえか。——
打捨
(
うっちゃ
)
っとけ、そんなこと……」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「
打捨
(
うっちゃ
)
るってどう云うことなんだい?」と、老ジョーは訊ねた。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「なあに、畜生のことですから、今はあんなに騒いでも、直ぐに忘れてしまいまさあね、
打捨
(
うっちゃ
)
っておいて下さいまし」
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まあ、そんな訳だから何も好んで山𤢖なんぞに
関係
(
かかりあ
)
うことは無い、
打捨
(
うっちゃ
)
って置く方が
可
(
い
)
いよ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
大方先の
阿魔女
(
あまっちょ
)
が
何
(
なん
)
かお
前
(
まえ
)
に
怖
(
こわ
)
もてゞ云やアがったんだろう、お前が
嚊
(
かゝあ
)
があるから女房に持つ事が出来ないと云ったら、そんなら
打捨
(
うっちゃ
)
って置かないとか何とかいうのだろう
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
せっかくのお金も
打捨
(
うっちゃ
)
っておいて、お手紙だけは
懐
(
ふところ
)
へ入れておいたのを、後で気がついたようなわけでございます。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
唯
(
ただ
)
漫然と
打捨
(
うっちゃ
)
って置くから、往々にして
種々
(
いろいろ
)
の
禍害
(
わざわい
)
を
醸
(
かも
)
すのだ。
勿論
(
もちろん
)
、
打捨
(
うっちゃ
)
って置いても、自然に
亡
(
ほろ
)
びつつあるには相違ないが、それには
未
(
ま
)
だ
尠
(
すくな
)
からぬ年月を要するだろう。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
先刻
(
さっき
)
云う事を聞けば、比丘尼を
打捨
(
うっちゃ
)
ってしもうても、お前がうんと云う事を聴けば、おれは此の
家
(
うち
)
へ這入って、寺男同様な働きをして
牛
(
うし
)
馬
(
うま
)
を
牽
(
ひ
)
いて百姓にもなろうと云ったが
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうかといって、ここへ
無下
(
むげ
)
に
打捨
(
うっちゃ
)
らかしてしまうのも
冥利
(
みょうり
)
である。そこで、主膳は門番の戸を叩きました。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
見逃すという訳には
往
(
い
)
かん、まア私の
家
(
うち
)
は浅草の
福井町
(
ふくいちょう
)
だから…何う云う事か家へ帰って
緩
(
ゆる
)
りと事柄を聞きましょう…あれさ
然
(
そ
)
んな事を云っても姉さん
打捨
(
うっちゃ
)
って置く訳にはいかぬ
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そいつは
打捨
(
うっちゃ
)
って置けねえな」と、半七も考えていた。
半七捕物帳:04 湯屋の二階
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そこで米友が思うには、これを
打捨
(
うっちゃ
)
るにしても不動尊である、有難がっても有難がらなくっても、不動明王のお
像
(
すがた
)
である。
芥溜
(
ごみため
)
の中へ打捨るわけにはゆかない。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私
(
わっし
)
ア小平という胡麻の
灰
(
へい
)
でございやす、
先刻
(
さっき
)
番頭さんにいう通り、八右衞門という荷主が山口屋へ
為換
(
かわせ
)
を取りに
往
(
ゆ
)
くと云うから、少しでもそう云う事を聞いちゃア
打捨
(
うっちゃ
)
っちゃア置けねいから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
宇津木様、私共はあなた様のお力になるというよりは、こうして旅を
巡
(
めぐ
)
って歩くのが何より楽しみなのでございますから、どうか
打捨
(
うっちゃ
)
ってお置きなすって下さいまし。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
君たちが
打捨
(
うっちゃ
)
ろうと、打捨られようとも、おいたちごっこをしようとも、それはわれわれの知ったことではないが、君たちが行方を
晦
(
くら
)
ましたために、浅間では大騒ぎだ。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「それは穏かでない、いったい、狸の足音というのを、どうして大将は聞き分けた、狸なら狸のように、もし人間であったら人間のように、ずいぶん
打捨
(
うっちゃ
)
っちゃおけねえ」
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
打捨
(
うっちゃ
)
ってはおけないが、我々を敵とするほどに恨みのあるはずはないし、また敵にすれば損のいくことはわかっている、どういうつもりだろう、ひとつ会って詰問してやろうか
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「あなた、あんまりだわ、足の弱いものを
打捨
(
うっちゃ
)
って、かわいそうじゃありませんか」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
医者の方であの男は
打捨
(
うっちゃ
)
っておけねえ男なんだよ、今でこそ
種疱瘡
(
うえぼうそう
)
といって誰もそんなに珍らしがらねえが、あれを
和蘭
(
オランダ
)
から聞いて、日本でためしてみたのは、高島が初めだろうよ。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「まあ、片柳様、あなたはほんとうに、わたしを
打捨
(
うっちゃ
)
っておいでなさるのですか」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「俺を荷物にしちゃあ兄貴、お前も動きがつくめえ、
打捨
(
うっちゃ
)
っといてくれ」
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
とても重くってやりきれないから
打捨
(
うっちゃ
)
ってしまいますよ
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そう聞いてみると、なおさら
打捨
(
うっちゃ
)
っちゃおけねえ」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「まあ、
打捨
(
うっちゃ
)
っておけ、万事はおれの腹にある」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ナニ、たかの知れた折助どもでございますが、
打捨
(
うっちゃ
)
っておくと癖になりますから、少々大人げねえと思いましたけれど、二つ三つ
食
(
くら
)
わしてやりました。御心配なさいますな、これからお屋敷まで送らせて差上げますから」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「どうもこれ、
打捨
(
うっちゃ
)
っても置けねえからね」
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
打捨
(
うっちゃ
)
ってお置きなさい」
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
捨
常用漢字
小6
部首:⼿
11画
“打捨”で始まる語句
打捨置
打捨置難
打捨難