放擲うっちゃ)” の例文
いいえ、放擲うっちゃッといとくれ。何だか云う事があるッていうンだから、それを……聞かないうちは……いいえ、わたしゃ……あンまり人を
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
金剛寺坂こんごうじざか笛熊ふえくまさんというのは、女髪結おんなかみゆいの亭主で大工の本職を放擲うっちゃって馬鹿囃子ばかばやしの笛ばかり吹いている男であった。按摩あんま休斎きゅうさいは盲目ではないが生付いての鳥目とりめであった。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「台所の縁の下はどうだ」と真蔵は放擲うっちゃって置いてもお源が今後容易に盗み得ぬことを知っているけれど、その理由わけを打明けないと決心きめてるから、仕様事なしにこう言った。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
沢山獲物が出来たので小屋をそのまま放擲うっちゃってどこかへ立ち去って行ったのだろう。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)