以外ほか)” の例文
が、そうした立場の人たちの間にこそ、同情と理解をもって論じられもしたが、その以外ほかでは、侮蔑ぶべつ嘲弄ちょうろうの的となった。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
その完全な発狂を予期しつつ、この曠古こうこの学術実験を行った……と云えば、吾輩より以外ほかに誰があるか……
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼の被後見者ひこうけんしやを教へて、彼から俸給を貰ふこと、お前が自分のつとめを行ふ限り、彼のそば近くで受けることの出來る、そんな鄭重な、親切な待遇を感謝するより以外ほか
夜は暗く、四辺あたりは静かに、二人の以外ほかには人気もない。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
食料品たべものより以外ほか肉類にくを一切置いちゃイケナイってえ規則になっているんだッてさあ……だからね……折角せっかくここまで来ているのをホントにお気の毒でしようがないけど
支那米の袋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)