ほか)” の例文
旧字:
然るにその薬売は、うしたか、はや二三年も前からこの村を訪れなかった。その他、毎年のようにきまってこの村に入って来た繭買まゆがいや、ほかの物売なども来なくなった。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
一羽の雞羽たゝきして時ならぬに為晨ときをつくりければほかのにはとりもこゝにあつまりてこゑをあはせけり。
隣室となりも明いていますか……そう。夜まではどこも明いている……そう。お前さんがここの世話をしておいで?……ならほか部屋へやもついでに見せておもらいしましょうかしらん」
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ほかの人なら兎に角地面の上にいても失策しくじりの多い三輪さんだ。電車の中で他人ひとの読んでいる本をはぐったという放心家だから、前後を忘却してんな危いものに手を出すかも知れない。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)