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ほか
ふりがな文庫
“
外
(
ほか
)” の例文
その
外
(
ほか
)
後に薩、隅、日の三国で新に徴集したもの、及、熊本、延岡、佐土原、竹田等の士族で来り投じたものが合せて一万人あった。
田原坂合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「それは知らなかった、——
外
(
ほか
)
の事なら知らん顔もするが、『疾風』がこの辺へ入込むようじゃ放っちゃおけねえ。行ってみようか」
銭形平次捕物控:036 八人芸の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いいえ、組合の
外
(
ほか
)
に新床が出来たんで、どうのこうのって、何でも
可
(
い
)
いじゃあがあせんか、お客様は御勝手な処へいらっしゃるんだ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遙か下の方からは、うざうざするほど繁り合った
濶葉樹林
(
かつようじゅりん
)
に風の
這入
(
はい
)
る音の
外
(
ほか
)
に、シリベシ河のかすかな水の音だけが聞こえていた。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
近年、私は阪神沿線へ居を移してからというものは、
殊
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
、地面の色の真白さと、常に降りそそぐ陽光の明るさに驚かされている。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
▼ もっと見る
ドウカ
明日
(
あした
)
ノ朝モウ一度、オ婆サンノ所ヘ来テ下サイ。コノ計略ノ
外
(
ほか
)
ニハオ婆サンノ手カラ、逃ゲ出スミチハアリマセン。サヨウナラ
アグニの神
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一 同室に就寝していた女給は、前回と同じ顔触れの鈴江、お千代、とし子の三人と
外
(
ほか
)
に清子、かおるの二人の
新顔
(
しんがお
)
が加わっていた。
電気看板の神経
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
もうこの
頃
(
ころ
)
じゃ、門附けは
流行
(
はや
)
らんでな。ことしあもう
止
(
や
)
めよかと思うだ。五、六年前まであ、東京へ行った連中も旅費の
外
(
ほか
)
に小金を
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
又其
外
(
ほか
)
に提灯なども吾が枕辺に照されてゐて、眠に就いた時と大に異なつて居たのが寝惚眼に映つたからの感じであつた事が解つた。
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「いいね。
普通
(
ふつう
)
の
野菜物
(
やさいもの
)
は
無論
(
むろん
)
として、
外
(
ほか
)
にトウモロコシだのトマトウだの、トマトウのとり
立
(
た
)
てつて、ほんとにおいしいからな。」
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ぶたい花みちは雪にて作りたる上に板をならぶる、此板も一夜のうちに
冰
(
こほり
)
つきて
釘付
(
くぎづけ
)
にしたるよりも
堅
(
かた
)
し。
暖
(
だん
)
国に
比
(
くらぶ
)
れば
論
(
ろん
)
の
外
(
ほか
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
実はわたしがおっ母さんの世話をするのも、因襲の
外
(
ほか
)
の関係なので、わたしは生涯をその関係に
委
(
ゆだ
)
ねたというものかも知れませんよ。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
しかれども
巴里
(
パリー
)
本邸の
外
(
ほか
)
アンジアン及びニイスに別荘を有し、はなはだ贅沢なる生活を為せるも、その財源をいずこに求むるや不明。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
うっかり書いてしまうものなら子供じみたモラル風の味の
外
(
ほか
)
はでそうにもない、それともそんな味さえ消えてなくなるかも知れない。
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
「箇旧を脱出するなら今夜をおいて
外
(
ほか
)
はない。わしの、あの小さな熔鉱炉で出来た錫と
通鑑
(
つうかん
)
を貸そう。二人を連れて行ったらどうだ」
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
調べ方も有ったろうに、えゝ仕様がねえ、何しろ私は
外
(
ほか
)
に用がありますから、又
近
(
ちか
)
え内にお尋ね申しやす、時節を待っておいでなさい
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
明智が行李を
蹴散
(
けち
)
らして追いすがった。四畳半の窓を開けると
物干場
(
ものほしば
)
がある。階下に見張りがあるため逃げ場は屋根の
外
(
ほか
)
にないのだ。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
及ばずながら常に男子に後援たらんとせしに
外
(
ほか
)
ならず、かの男子と共に力を争い、
将
(
は
)
た功を闘わさんなどは妾の思いも寄らぬ所なり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
鶴見は海と共に
際涯
(
さいがい
)
もない感情を抱いてその画を丹念に見返し見返ししている。波と岩との争闘の
外
(
ほか
)
に火と海との相剋がそこにある。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
しかし今日の進歩せる自然科学といえども、その幾多複雑なる研究を以てして、つまりはヨブ記と同一の言を発する
外
(
ほか
)
はないと思う。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
牛でも鳥でもその
外
(
ほか
)
何の肉でもエキス分が沢山あって肉のまだ鮮しい
中
(
うち
)
はそのエキス分が分解作用を受けないから肉の外にあります。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
翌日またそのテントの人たちもやはり私の進んで行く方向に移転するということでその親切にしてくれた人は
外
(
ほか
)
の方へ行きましたが
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
またその
外
(
ほか
)
に私的の事件で扱ったものは、無数で、その
中
(
うち
)
でも、実に錯綜した難問題で、颯爽たる役目をやったものもたくさんあった。
自転車嬢の危難
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
しかし抽斎は心を潜めて古代の医書を読むことが
好
(
すき
)
で、
技
(
わざ
)
を
售
(
う
)
ろうという念がないから、知行より
外
(
ほか
)
の収入は
殆
(
ほとん
)
どなかっただろう。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
モリエールやヴォルテールやボンマルシェを熱愛したのも人生の底流に不動の岩盤を露呈している虚無に対する熱愛に
外
(
ほか
)
ならなかった。
いずこへ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
紺絣の
外
(
ほか
)
に好きなのは鹿児島の
泥染
(
どろぞめ
)
の大島です。洗うほどきれいです。私はかっこうがあまりよくないので手固いものを愛します。
着物雑考
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
とにかく、いつもの夢想から
醒
(
さ
)
めて、ひょいと気が付いてみたら、たった一人で古い墓室の薄暗がりの中にいた、というより
外
(
ほか
)
はない。
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ママは
外
(
ほか
)
にいい
仕事
(
しごと
)
を
持
(
も
)
っていて、たくさんおあしがもらえるので、いつまでもやめたくないのだという
事
(
こと
)
を、シューラは思い出した。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
われわれ日本の芸術家の先天的に定められた運命は、やはりこうした置炬燵の肱枕より
外
(
ほか
)
にはないというような心持になるのであった。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
二号
(
にがう
)
活字
(
くわつじ
)
の
広告
(
くわうこく
)
で
披露
(
ひろう
)
さるゝ
外
(
ほか
)
は
何
(
なん
)
の
慾
(
よく
)
もなき
気楽
(
きらく
)
三
昧
(
まい
)
、あツたら
老先
(
おひさき
)
の
長
(
なが
)
い
青年
(
せいねん
)
男女
(
なんによ
)
を
堕落
(
だらく
)
せしむる事は
露
(
つゆ
)
思
(
おも
)
はずして
筆費
(
ふでづひ
)
え
紙費
(
かみづひ
)
え
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
而
(
しか
)
してカイゼルの如きはたまたまこの感情を高調して、他民族に対する力の征服を志したものに
外
(
ほか
)
ならぬんである。試みに英国を見よ。
永久平和の先決問題
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
阿蘇
(
あそ
)
の
活動
(
かつどう
)
は
右
(
みぎ
)
の
外
(
ほか
)
、
一般
(
いつぱん
)
に
火山灰
(
かざんばひ
)
を
飛
(
と
)
ばし、これが
酸性
(
さんせい
)
を
帶
(
お
)
びてゐるので、
農作物
(
のうさくぶつ
)
を
害
(
がい
)
し、これを
食
(
しよく
)
する
牛馬
(
ぎゆうば
)
をも
傷
(
いた
)
めることがある。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
誠にたわいもないことではあるが、それをはっきりと知って置くと、後に類推によって思いの
外
(
ほか
)
の解説が成立つかも知れぬ望みがある。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
今まで余の集め得たる証拠は
総
(
すべ
)
て
彼
(
か
)
れの
外
(
ほか
)
に
真
(
まこと
)
の罪人あることを示せるに彼れ自ら白状したりとは何事ぞ、
斯
(
かゝ
)
る事の有り得べきや
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
近所
(
きんじよ
)
と
姻戚
(
みより
)
との
外
(
ほか
)
には一
飯
(
ぱん
)
も
出
(
だ
)
さなかつたがそれでも
村
(
むら
)
のものは
皆
(
みな
)
二
錢
(
せん
)
づゝ
持
(
も
)
つて
弔
(
くや
)
みに
來
(
き
)
た。さうしてさつさと
歸
(
かへ
)
つて
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
これをこの
儘
(
まま
)
にして置ては
迚
(
とて
)
も始末が付かぬから、何でも片付けなければならぬ。
如何
(
どう
)
しよう。
外
(
ほか
)
に仕方がない。何でも売るのだ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
さすがにお銀様も、いい心持でそれを聞いているわけにはゆきません……ところで盲法師の申しわけは、少しく意想の
外
(
ほか
)
でありました。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
良
(
い
)
い分別といふのは
外
(
ほか
)
でもない、もしか卜新老が約束に
背
(
そむ
)
いたら、持前のお医者の腕を
揮
(
ふる
)
つてみせる事だ。ゲエテが言つたぢやないか。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
面附
(
つらつき
)
こそは
誰
(
た
)
れよりも
見
(
み
)
よけれ、
脛附
(
すねつき
)
が十
人並
(
にんなみ
)
以上
(
いじゃう
)
ぢゃ、それから
手
(
て
)
や
足
(
あし
)
や
胴
(
どう
)
やは
彼
(
か
)
れ
此
(
こ
)
れ
言
(
い
)
ふが
程
(
ほど
)
も
無
(
な
)
いが、
外
(
ほか
)
には、ま、
類
(
るゐ
)
が
無
(
な
)
い。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
私は折々亡くなった父や母の事を思い出す
外
(
ほか
)
に、何の不愉快もなく、その
一夏
(
ひとなつ
)
を叔父の家族と共に過ごして、また東京へ帰ったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
質請
(
しちうけ
)
して御主人を
暖
(
あたゝ
)
かに
休
(
やす
)
ませられよ
外
(
ほか
)
に思案は有まじと
貞節
(
ていせつ
)
を盡して申を聞き喜八も涙を流して
其志操
(
そのこゝろざし
)
を
感
(
かん
)
じ
僅
(
わづか
)
二分か三分の金故妻を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
イボギンヌの家庭は愛想のよい御両親の
外
(
ほか
)
に女学校二年生の妹が一人あるの。これから此の人達を家庭教師にしてフランス語の練習です。
母と娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
卓子
(
テーブル
)
の
側
(
そば
)
が
僅
(
わづか
)
に
少
(
すこ
)
しばかり
明
(
あか
)
るいだけで、
其
(
そ
)
の
外
(
ほか
)
は
電灯
(
でんとう
)
一
(
ひと
)
つ
点
(
つ
)
けず、
真黒闇
(
まつくらやみ
)
のまゝで
何処
(
どこ
)
を
何方
(
どちら
)
に行つて
宜
(
い
)
いかさツぱり
分
(
わか
)
らぬ。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
九州
(
きゅうしゅう
)
の
総追捕使
(
そうついほし
)
というのは、
九州
(
きゅうしゅう
)
の
総督
(
そうとく
)
という
意味
(
いみ
)
なのです。すると
外
(
ほか
)
の
大名
(
だいみょう
)
たちは、これも
半分
(
はんぶん
)
はこわいし、
半分
(
はんぶん
)
はいまいましがって
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「お前はほんとにしようがないおしゃべりだねえ。それじゃお前のお守の女中がその夢のことを
外
(
ほか
)
へ話さないようにしましょう」
オシャベリ姫
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
かぐつちみどり
(著)
然
(
しか
)
れども
去
(
さつ
)
て吉野の物さびたる造化の深き峰のあたりに見るに、其美、其妙、塵垢に近き墨坨の
外
(
ほか
)
に勝る事幾倍なるを知るべし。
「伽羅枕」及び「新葉末集」
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
この内英国人は六、七十人、仏人は五、六十人、
瑞西人
(
スイッツルじん
)
は本国であるだけに四、五十人もいる。日本人は我輩の
外
(
ほか
)
に三人あるのみである。
国際聯盟とは如何なものか
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
大船
(
おほふな
)
を
發
(
はつ
)
して
了
(
しま
)
へば
最早
(
もう
)
國府津
(
こふづ
)
へ
着
(
つ
)
くのを
待
(
ま
)
つ
外
(
ほか
)
、
途中
(
とちゆう
)
何
(
なに
)
も
得
(
う
)
ることは
出來
(
でき
)
ないと
思
(
おも
)
ふと、
淺間
(
あさま
)
しい
事
(
こと
)
には
猶
(
な
)
ほ
殘念
(
ざんねん
)
で
堪
(
たま
)
らない。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
僕たちの方ではね、自分を
外
(
ほか
)
のものとくらべることが一番はずかしいことになっているんだ。僕たちはみんな一人一人なんだよ。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
年よった悪魔はこの手段を
止
(
よ
)
す
外
(
ほか
)
ありませんでした。兵隊を使ったんじゃ、とてもイワンを取っちめることは出来ませんでした。
イワンの馬鹿
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
外
常用漢字
小2
部首:⼣
5画
“外”を含む語句
外套
外見
外出
外面
外貌
外国
外方
外囲
内外
外聞
門外
戸外
意外
外部
窓外
引外
法外
外国人
外皮
外人
...