“外:ほか” の例文
“外:ほか”を含む作品の著者(上位)作品数
海野十三66
芥川竜之介61
野村胡堂58
泉鏡花35
夏目漱石22
“外:ほか”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸41.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語12.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)6.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
そのほかに何も書けるもんか。若し何か書けるとすれば、……さうだ。このポケツト本の中にちやんともう誰か書き尽してゐる。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
やはりほかの連中のやうに、体中金銭斑々きんせんはんはんとでも形容したらよからうと思ふ程、所まだらに赤くなつてゐる。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
例の晩酌ばんしゃくの時と言うとはじまって、貴下あなたことほか弱らせられたね。あれを一つりやしょう。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二号にがう活字くわつじ広告くわうこく披露ひろうさるゝほかなんよくもなき気楽きらくまい
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
「御輿を下せ御輿を下せ」と巡査がせ集って、烈しい論判の末、到頭輿丁よていほかは許さないということに成った。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼の行為の中途に於て、なにためと云ふ、冠履顛倒の疑を起させるのは、アンニユイにほかならなかつたからである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
内に倹素を忍んで、ほかに声望を張ろうとする貞固が留守居の生活は、かなの内助を待ってはじめて保続せられたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
瀬田の様子をぢつと見てゐたが、おもひほかこばまうともせずに、囲炉裏ゐろりそばに寄つて休めと云つた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
役人は意地悪い顔つきで、私をにらみつけている。仕様しようがない。なけなしの財布の底をはたくよりほかに途がない。
僕が高等学校の生徒だつた頃は、あの「大寺院の影」のほかに、英吉利語訳のイバネスは何処どこを探しても見当らなかつた。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
画家。それはここでも好いし、どこかほかへ行ったら、なお好いでしょう。あなたのおばさんがやかましそうですから。
その旅人とっても、馬を扱ふ人のほかは、薬屋か林務官、化石を探す学生、測量師など、ほんのわづかなものでした。
種山ヶ原 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
此の方もほかに兄弟というものも無いからのう、誠に貴様の行いの正しいのを聞くに附けても頼もしく、蔭ながら喜んで居るので
わづかに東京とうきよう京都きようと奈良なら三箇所さんがしよ美術博物館びじゆつはくぶつかんがあるほか
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
恋愛は各人の胸裡きようりに一墨痕を印して、ほかには見ゆ可からざるも、終生まつする事能はざる者となすの奇跡なり。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
その中には、英蘭銀行の五十ポンド紙幣二十枚が、印度ゴムのバンドでしばられて入っていたほか、あとは何にもなかった。
いつの時代でも富豪かねもちといふものは、土蔵へ入る時のほかは、秀れた芸術家と道連みちづれになるのが好きなものだ。
これを浮世絵に見れば鳥居派のほかあらたに奥村一派の幽婉ゆうえんなる画風と漆絵の華美なる彩色さいしき現はれぬ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
子供のむれがめんこや独楽こまの遊びをしているほかには至って人通りの少い道端みちばた格子戸先こうしどさき
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もっと研究したらこれに模様を置くことが出来るかも知れんが、今の所では絞にするよりほか仕方がないのであろうと思います。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
しかしこの場合、繁忙だから間違えるというほかに、間違えるから余計に繁忙になるということも、一応考えてみる必要がある。
硝子を破る者 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
医専の一人はスケッチだ。畑の向うのにれの木はいい形だなと、やっている。ほかの一人は実直だ。心配そうに避けている。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
交際つきあつてはぞんほかやさしいところがあつておんなながらもはなれともない心持こゝろもちがする
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……浅草で、お前の、最も親愛な、最も馴染なじみのふかいところはどこだときかれれば広小路の近所とこたえるほかはない。
雷門以北 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
女は私のほかに何人の恋人があるのか私は知らなかった。私一人かも知れなかった。時々風のように現れた。私は訪ねなかった。
魔の退屈 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
妙子さんの部屋は、屋敷の奥まった箇所にあり、二つの窓が庭に面して開いているほかには、たった一つの出入口しかなかった。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
姉の死因は無論主として肉体的な病気の為には相違ないけれど、弟の自分が見る所では、ほかに何かあったのではないかと思う。
モノグラム (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「エエ、それは、大一座のお客様を送って、ほかうちの芸妓衆と一しょに、あの子も確に自動車に乗ったと思うのですが」
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
時によると肝癪かんしゃくの電流を何かの機会に応じてほからさなければ苦しくって居堪いたたまれなくなった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「お前はほんとにしようがないおしゃべりだねえ。それじゃお前のお守の女中がその夢のことをほかへ話さないようにしましょう」
オシャベリ姫 (新字新仮名) / 夢野久作かぐつちみどり(著)
呼吸いきめて、なほすゞのやうなひとみこらせば、薄暗うすぐら行燈あんどうほか
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
どう考えても、そんな気の利いた人物は考え出せなかった。その疑問はあずかりとしておいてほかにも疑問の種があった。
人間灰 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かれ甘藷さつまいもほかには到底たうていさういふすべてのなへ仕立したてることが出來できないので
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ほか人間にんげんはなしてゐると、人間にんげんかははなす様で歯痒はがゆくつてならなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ここに着物が二枚ある、是れでまかないの代ぐらいはあるだろう、ほか書籍ほんもあるが、是れは何にもならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それはほかでもない。僕がこの料理店に支払うだけの金を持っているかどうか、蟇口がまぐちの中味のことが心配になったのだ。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのほかのことについては、ベルリン特電は、なにもいっていないし、欧弗同盟のいずこの地点よりも、一つの放送さえなかった。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのほかには事業じぎょう成功せいこう祈願きがん災難さいなんけの祈願等きがんとういろいろございます。
これよりほかに仕方がありませんでした。年よった悪魔は、かわり番こに家々を廻って食事をさせてもらうようになりました。
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
これを以て有為の士をすすはげまし、及ばずながら常に男子に後援たらんとせしにほかならず、かの男子と共に力を争い
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
そして、まつたくこれほどあそきることをらないあそごともちよつとほかにはささうだ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
又きょうはほかへ行かなくてはならぬのだが、ちょいと寄ったと云って、箱火鉢の向うに据わって、烟草を呑んで帰ることもある。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
田舎なれど会堂おもひのほかに美しく、食卓の器は王宮よりはこび来ぬとて、純銀の皿、マイセン焼のすえものなどあり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
い分別といふのはほかでもない、もしか卜新老が約束にそむいたら、持前のお医者の腕をふるつてみせる事だ。
「おふくろが、隣座敷となりざしきにいたほかにゃ、これぞといって、ひとらしいものァいやァいたしません」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
又目が覚めて居っても、ほかの都市の匪首が遊びに来れば、自分が行った時大変御馳走になっている義理合上黙ってはいられない。
「何と云われる。由利殿が亡くなられた?……あの娘御とは、ことほか親しくいたし、昨夜もここへ見えられたが……」
これらのほか階子段はしごだんに腰かけて懐中よりふみ読む女のうしろに美しき少年の佇立たたずみたるあり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
とよ途法とはふに暮れた結果、兄の蘿月らげつに相談して見るよりほか仕様しやうがないと思つたのである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
今焼いておりますのはレデーケーキ即ち貴婦人のお菓子と申すので西洋では婚礼の時かあるいはほか祝日いわいびに用います。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
全体なら一度沸騰わかした水のほかは決して飲まないのに限りますけれども戦地ではその事を実行出来ない場合もありましょう。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
同じ岡つづきのわずかな沢に、水がじめじめとして周囲は杉、中は一面にあしよりほかの草の生えないような土地がある。
父はいつも朱銅の瓶かけを炉のほかにも用意してあった。大きさから重さから言っても実に立派なものであった。父はいつも、
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
雨季うき乾季かんきとよりほか、季節と言うものを知らぬ此の風土では、植物の営みも自ずと無表情になるものらしかった。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
想像の世界では、もうこの上もない魅力であった殺人という事が、やって見れば、ほかの日常茶飯事と、何の変りもないのでした。
屋根裏の散歩者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「共犯者かも知れません。そうでないかも知れません。いずれにしても、小説家は小説家です、真犯人はもっとほかにいる筈です」
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その父とは私に墨をすらせる以外に何の交渉関係もない他人であり、そのほかの場所では年中顔を見るということもなかった。
石の思い (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
年月がすぎれば退屈もするし、欠点が分れば、いやにもなり、ほかに心をかれる人があれば、顔を見るのもイヤになる。
悪妻論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
といって指さす所を見ると、マットで隠れていた個所のほかにも、諸所に点々として血の跡らしきものを認めることが出来ました。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
此処ここは板敷で、中央に拡げた方一間はういつけんあまりの古絨毯ふるじゆうたんほかには、一枚の畳も敷いてはない。
漱石山房の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
とにかくたった一人取り残されたわたくしは、母のいい付け通り、この叔父おじを頼るよりほかみちはなかったのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そう質問された時、私はただ両方とも事実であったのだから、事実としてあなたに教えて上げるというよりほかに仕方がないのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「結局、自分等は芸術に行くのほかはないかも知れない。芸術によって、この国の人の心に触れるの外はないかも知れない」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それは亡友Y――によって(いやもっと詳しく言えばY――と私との二人とによって)行われるよりほかに出来ないことなのでした。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
照井耕一という名もちゃんと書いてありましたし、さっきはなれた処もすっかりくっつききれた糸もほかの糸でつないでありました。
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そして知行ちぎょうは当分の内六分びけを以て給するという達しがあって、実は宿料食料のほか何の給与もなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
……泥棒が這入った夢を見て、大声を揚げてうち中を呼び起す連中は、この第一箇条に支配されている連中にほかならないのだ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「でも、わたし身内みうちといったら、樺太に店を持っている弟のほかないんだものね」と、矢口家のおかみさんは心細くいった。
一坪館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
われほかに子なければ年老としおいいよいよ恋しく信州にのみ三人も家従けらいをやってさがさせたるに
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「買います。これだけお金、あげます。ではワタクシ買いましたよ。ほかの人に話すこと、なりません。きっと話すことなりません」
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
花川戸はなかはど山谷さんや駒形こまかた蔵前くらまへ――そのほか何処どこでも差支さしつかへない。
野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
此処ここは板敷で、中央に拡げた方一間はういつけんあまりの古絨毯ふるじゆうたんほかには、一枚の畳も敷いてはない。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ほかるゐが無かつたのか雑誌もく売れました、毎号まいがう三千さんぜんづゝもるやうなわけ
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
画家。こりゃあ面白い。ふん。因襲のほかに立った関係は面白い。僕なんぞも、そういう関係を求めているようなものです。
もう一つほかの言葉で説明すると、事件が発展的に叙せられないで、読者を圧迫する程ひし/\と並んで寄せ掛るのである。
『煤煙』の序 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ほかでもない、それは大和武尊様やまとたけるのみことさまのおきさき弟橘姫様おとたちばなひめさまでございます……。
「いいえ、奥さんのほかは、何も動かしません。怪我をしている者だけは、そのまま床の上に放っておくわけにはゆきませんからな」
すると、恩人に物を恵んだといふ満足のほかにその匙が真実ほんとうは十円の値段がなかつたといふ事を知る事が出来る。
――あのひとしいものァ、日本中にほんじゅうにたったひとつ、笠森かさもりおせんのなさけよりほかにゃ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
座長は大阪の三流どこの俳優で幹部二三人のほかはアメリカで仕込んだ素人しろうとだから見ていてトテモはらはらした。
豆腐買い (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
――武士さむらいは何とした、しんえて、手足が突張つっぱり、ことほか疲れたやうに見受けるな。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
鬼貫 (書きながら見かへる。)氣の毒だが難澁はお互ひの身の上で、一文の施しも出來ない。どこかほかうちへ行つてくれ。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
それはいずこも松の並木の聳えている砂道で、下肥しもごえを運ぶ農家の車に行き逢うほか、殆ど人に出会うことはない。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
お前のような者は畜生である、犬であるとののしるその鋭い有様というものは全く狂気の沙汰とほか見えないようです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
このほかたのしみのうたはありますが、としわかいあなたがたにはわかりにくいものははぶきました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
紙に描いた場合は、この墨膜の性質の変化と、ほかに前の墨が乾燥するための影響があるので、話はもっとむつかしくなる。
南画を描く話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
本堂のほかに三つばかり小ひさな堂やお宮のやうなものがあるのを、二人は大儀たいぎさうにしながら一々見て〓はつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
有難ありがたことふてれやうと、わたし良人をつと吉岡よしをかさんのほかにはいものを
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
二三日、うちで調物をして庭先よりほかに眺めなかった代助は、冬帽をかぶって表へ出てみて、急に暑さを感じた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ほか理由わけがあるならとにかく、相対死あいたいじにの仕直しをやらかす陽気じゃねえ、たいがい大丈夫だろう」
わしやお前達は眼鼻がそろっているだけでほかの事は何一つお師匠様に及ばぬわしたちの方が片羽ではないかと云った。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「よろしい。わしは一体耶蘇教やそきょうは大嫌いですが、ほかならんあんたのお頼みとあれば、一つ考えて見ましょう」
黒手組 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
私達のゐた棧橋にはやはり修学旅行に来たらしい、どこかほかの小学校の生徒も大勢おほぜいわいわい言つてゐました。
貝殻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
影ならずば?――時にはむらむらと起る一念に窓際にけよりて思うさま鏡のほかなる世を見んと思い立つ事もある。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その中には、歯車や電池がぎっしりまっているかと思いのほか、身に軽羅けいらをつけた若い女の死体があった。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼等はほかへ宿をとるという風もなく、カフェ・ドラゴンに寝泊りするようになり、王は毎日外出して夜遅く帰って来る。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、向うから声をかけられたのを見ると、それはかねて見覚えのある住吉署の大男、大川巡査部長と、ほか一名であった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
砂の中から出ているのは、蠅男の頸だったのである。悪逆残忍、たとえるに物なき殺人魔・蠅男の首にほかならなかった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
乘組のりくみ人員じんゐんは、五人ごにん定員てんゐんで、車内しやないには機械室きかいしつほか
そのほか後に薩、隅、日の三国で新に徴集したもの、及、熊本、延岡、佐土原、竹田等の士族で来り投じたものが合せて一万人あった。
田原坂合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)