山中さんちう)” の例文
山中さんちううらにて晝食ちうじき古代こだいそつくりの建場たてばながら、さけなることおどろくばかり、斑鯛ふだひ?の煮肴にざかなはまぐりつゆしたをたゝいてあぢはふにへたり。
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いまじつ非常ひじやう塲合ばあひである、非常ひじやう塲合ばあひには非常ひじやう决心けつしんえうするので、躊躇ちうちよしてれば、吾等われら一同いちどうはみす/\ひとこの山中さんちう
三十彼方かなたなる櫻木大佐さくらぎたいさもとほうぜんがため、なみだふるつて猛犬稻妻まうけんいなづまをば、このおそろしき山中さんちう使者ししやせしむることとなつた。
……しかし無理むりもない。こんなことつたのはあたか箱根はこね山中さんちうで、ちやう丑三うしみつ時刻じこくであつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
亞尼アンニーは、いまは、眞如しんによ月影つきかげきよき、ウルピノ山中さんちうくさいほりに、つみもけがれもなく、此世このよおくつてことでせうが、あのにくむべき息子むすこ海賊かいぞくは、矢張やはり印度洋インドやうなみまくら
さいはひかぜく、雪路ゆきみちたと山中さんちうでも、までにはさむくない、みしめるにちからるだけ、かへつてあせするばかりであつたが、すそたもとこはばるやうに、ぞつとさむさがせまると、山々やま/\かげがさして
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)