ウチ)” の例文
唱詞は、所謂祝詞で、長い語詞のウチのものが脱落して、後に残つた、有力な部分が、歌である。
呪詞及び祝詞 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
非職凡下ボンゲヲイワズ、伊勢ノ車ノ庄ヲ恩賞ニテ行ナワルヨシ、関東ノ御教書ミギョウショ有之コレアリ、ソノ上ニ定遍ジョウヘンズ三日ガウチニ六千貫ヲ与ウベシ、御内ミウチ伺候シコウノ人、御手オンテノ人ヲ討チタラン者ニハ五百貫
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
久シク恩義ヲアヤマ世塵セジンウチ
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其からは、此二つの女手ヲンナデの「ホン」を、一心に習ひとほした。偶然は友をくものであつた。一月も立たぬウチの事である。早く、此都に移つて居た飛鳥寺アスカデラ元興寺グワンコウジ—から巻数クワンズが届けられた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此花の一弁ヒトヨウチは、百種のコトちかねて、折らえけらずや(万葉巻八)
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
はね蔓今する妹を夢に見て、心のウチに恋ひわたるかも(家持——巻四)
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此花の一弁ヒトヨウチに、百種モヽクサコトぞ籠れる。おほろかにすな(万葉巻八)
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
吉右衛門を間において考へれば、幸右衛門は、言ふまでもなく、東間も、阪田も、骨細は骨細ながら、当りを取るに相違ない。此で「天下茶屋聚テンガヂヤヤムラ」の役と言ふ役は、彼の手のウチの物ばかりの気がする。