“なきや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
泣止33.3%
鳴留22.2%
11.1%
啼止11.1%
啼留11.1%
鳴止11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お繁はまた母に抱かれたまま泣出して、乳を宛行あてがわれても、ゆすられても、泣止なきやまなかった。お雪は持余もてあました。仕方なしにお繁をおぶって、窓の側でったり坐ったりした。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
き進むエンジンの音に鳴留なきやんだけれども、真上に突出つきでた山のに、ふアッふアッと、山臥やまぶしがうつむけに息を吹掛ふきかけるようなふくろうの声を聞くと、女連おんなれんは真暗な奥在所へ入るのを可厭いやがった。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ゆさぶろと思うて手ばあたりや、部屋んなきやでゴトンて音んしたツ……なんもをりやせんとなるばツてん、わしや、ひよくつと、からだ一ぴやヅンとして、どぎやんすることも出来でけんだツたツ……。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
姿が見えなくなっても啼止なきやまない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
晝間ひるまあのおはる納戸なんどいとつて姿すがた猛然まうぜん思出おもひだすと、矢張やつぱ啼留なきやまぬねここゑが、かねての馴染なじみでよくつた、おはる撫擦なでさすつて可愛かはいがつたくろねここゑ寸分すんぶんちがはぬ。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其處そこへ、たましひ吹込ふきこんだか、じつるうち、老槐らうゑんじゆふくろふは、はたとわすれたやうに鳴止なきやんだのである。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)