泣止なきや)” の例文
きゃんきゃんきゃん、クイッ、キュウ、きゃんきゃんきゃん、と断々きれぎれに、声が細って泣止なきやまない。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お繁はまた母に抱かれたまま泣出して、乳を宛行あてがわれても、ゆすられても、泣止なきやまなかった。お雪は持余もてあました。仕方なしにお繁をおぶって、窓の側でったり坐ったりした。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「さあ、もう可いからお泣きでないよ。おお、泣止なきやみましたね、好い児。何を御褒美に上げようかしら、ああものがあったっけ、姉様ねえさんとさあ一所に光来おいで。」と手をきて家に
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)