“鳴留”の読み方と例文
読み方割合
なきや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お秋(あき)が納戸(なんど)に居(ゐ)た姿(すがた)を、猛然(まうぜん)と思出(おもひだ)すと、矢張(やつぱ)り鳴留(なきや)まぬ猫(ねこ)の其(そ)の聲(こゑ)が、豫(かね)ての馴染(なじみ)でよく知(し)つた。お秋(あき)が撫擦(なでさす)つて、可愛(かはい)がつた、黒(くろ)、と云(い)ふ猫(ねこ)の聲(こゑ)に寸分(すんぶん)違(たが)はぬ。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
衝(つ)き進むエンジンの音に鳴留(なきや)んだけれども、真上に突出(つきで)た山の端(は)に、ふアッふアッと、山臥(やまぶし)がうつむけに息を吹掛(ふきか)けるような梟(ふくろう)の声を聞くと、女連(おんなれん)は真暗な奥在所へ入るのを可厭(いや)がった。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)