ちう)” の例文
なに任務にんむだからと、何樓なにやかのまへで、かけつて、値切ねぎつて、ひきつけへとほつてさけると、階子はしごちうくらゐのおのぼ二人ふたり、さつぱりてない。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我等われら兩人りようにん目指めざすコロンボにも、また櫻木海軍大佐等さくらぎかいぐんたいさら再會さいくわいすべきはづ橄欖島かんらんたうにも左迄さまではとほくない印度洋インドやうちうであつたことと。
相違つかまつり候ては御役儀もかろ相成あひなり候故私しの内意仕つり候に付私再吟味御免をかうむり其後病氣と披露ひろう仕つり引籠ひきこもちう家來けらい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さへぎるはつきしたがひてゑんいよ/\ゑんならんとする雨後春山うごしゆんざんはなかほばせけんます/\けんならんとする三五ちうつきまゆいと容姿ようしばかりなり
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かうしたおもひを取集めて考へることは、一しやうちう幾度いくどもないやうにさへ思はれた。人間はたゞ※忙そうばううちに過ぎてく……あぢはつてる余裕すらないと又繰返した。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
かうえまめとれるなんておめえはうはえゝのよなあ、はうぢや土手どてちかくでるもなあ、畦豆くろまめつこえて土手どてちうぱらしちややうだが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
真鍮のだいの燭台を組、ちういつ組、銅の燭台を組、大大だいだいのおらんだの皿をさん枚、錦手にしきでの皿を三十枚、ぎやまんの皿を百人前、青磁せいじの茶碗を百人前、煙草盆を十個とを
住吉祭 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
折節おりからいづれも途方とほうれてりましたから、取敢とりあへずこれツて見樣みようふので、父親ちゝおや子供こども兩足りようあしとらへてちうつるし、外面そとかしてひざ脊髓せきずいきました、トコロガ
此前このまへはづであつたが、ついおそくなつたのでいそいでかへつた。今日けふは其つもりはやうちた。が、御息おやすちうだつたので、又とほり迄行つて買物かひものましてかへけにる事にした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「へ、ゝ。」といふだけで、あとはしよちうだまり込んでばかりゐる。どんな女だかまだ見もしないが、どうせこのあたりの汚いうちの子で、行儀も何も知らない、下司げすな子らしかつた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
つゝみ枯草かれくさうへつて、但馬守たじまのかみおほきなこゑ新任しんにん挨拶あいさつねて一ぢやう訓示くんじ演説えんぜつをした。演説えんぜつすこしもみゝいためないでくことの出來できものは、おほくの與力よりき同心どうしんちうほとんど一人ひとりもなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
それがしきりに市中を巡邏じゆんらする。尚ほ手先を使つて、彼等盜賊のあとを附けさせると、それが今のしば薩摩さつまぱらの薩州屋敷にはいるといふのでこの賊黨はとう/\薩藩さつぱんちうあふものだといふことが分つた。
兵馬倥偬の人 (旧字旧仮名) / 塚原渋柿園塚原蓼洲(著)
……ちうこくきやう、×(9)、×(10)、萬……
わたくしはしなくも、昨夜ゆふべローマからの滊車きしやなかんだ『小公子リツトルロー、トフオントルローイ』といふ小説せうせつちうの、あのあいらしい/\小主人公せうしゆじんこう聯想れんさうした。
右の如く書取かきとり差出さしいだし候に付大岡殿とくと一覽いたされ追々吟味に及ぶ兩人共吟味ちう揚屋入あがりやいり申付ると申渡され夫よりみぎ書面を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
じみなることふやうなれどもいゑつぎのまらざるはなにかにつけて心細こゝろぼそく、このほどちう其方そなたのやうに、さびしいさびしいのひづめもではられぬやうなことあるべし
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
家のちうかいは川に臨んで居た。其処そこにこれからたうとする一家族が船の準備の出来る間を集つて待つて居た。七月の暑い日影ひかげは岸の竹藪にかたよつて流るゝあをい瀬にキラキラと照つた。
(新字旧仮名) / 田山花袋(著)
てんちうする日もいた
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
印度洋インドやうちう氣※きかうほど變化へんくわはげしいものはない、いまは五ぐわつ中旬ちうじゆんすゞしいときじつ心地こゝちよきほどすゞしいが、あつとき日本につぽん暑中しよちうよりも一そうあついのである。
目鏡めがめちうだとわらはるゝもありき、町子まちこはいとゞ方々かた/\もてはやし五月蠅うるさく、おくさんおくさんと御盃おさかづきあめるに、御免遊ごめんあそばせ、わたしいたゞきませぬほどにと盃洗はいせんみづながして
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其方儀そのはうぎ先年京都日野家につとめちう種々しゆ/″\惡事あくじに及び其上嘉川主税之助方に於て主人しゆじんの惡事を助け先代平助嫡子ちやくし藤五郎藤三郎に無禮ぶれい法外はふぐわいの儀を働き侍女こしもとしま絞殺しめころし候だん重々ぢう/\不屆ふとゞきつき獄門ごくもん申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)