ぢう)” の例文
いそぐつて先月ぢうに越すはづの所を明後日あさつての天長節迄待たしたんだから、どうしたつて明日中あしたぢうさがさなければならない。どこか心当りはないか」
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ひらき此間ぢうより申上し通り穀屋平兵衞を殺し又鈴ヶ森にて三五郎を殺し候はまつたく私しに相違なけれども金兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おしやれな娘兎むすめうさぎのこととて、でかけるまでには谿川たにがはりてかほをながめたり、からだぢうを一ぽんぽん綺麗きれいくさでつけたり、やゝ半日はんにちもかかりました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
しろけて其處そこぢうおびたゞしく散亂さんらんした。煙管きせるとりからさらつよ戸口とぐちしきゐつてにはつちとまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
このぢうよりしきり貴君あなた様を御手もとへお呼び寄せなさりたく、一日も早く家督相続あそばさせ、楽隠居なされたきおのぞみのよし、これしかるべき事と御親類一同の御決義
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
も出しは致す間敷まじく候やとまことしやかに申立ければ役人ぢうも長庵が申たてにもと思はれ其道十郎を取にがさぬ樣手當てあてせよとて手先ならびに町役人へ内達ないたつにぞ及ばれける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
卯平うへいはそれからふいとよるまでかへらなかつた。勘次かんじとり拔毛ぬけげいたちたのではないかといふ懸念けねんいだいて其處そこぢうくまなくた。とりほかとりこと/″\とやいてもかへらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「それ御らんなさい。あなたは一家族ぢう悉く馬鹿にして入らつしやる」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
浪人仕つり御當地へまかいで下谷山崎町吉兵衞店に住居罷り在候に不※ふと此程ぢう右市之丞尋ね參り久々にて面會仕つりたがひに身の上の物語ものがたりに及び候處私し夫婦零落れいらく困窮こんきう仕り候を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)