なかの)” の例文
唯一度数河乗越すごのっこし附近を通る人にとろりとした青黒い色の流れをちらと覗かせて、再びなかの廊下の崖下に隠れたまま、東沢の合流点近くなるまでは、容易たやすく人の寄り付くことを許さない。
黒部峡谷 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
その年のうちにも三月二十八日に閑院大納言、四月十日にはなかの関白。小一條左大将済時卿は四月二十三日、六條左大臣、粟田右大臣、桃園中納言保光卿は、三人とも五月八日一度に死んだ。
余録(一九二四年より) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
なかの廊下の入口に近い黒部川の河原に天幕を張って、流木を山のように積み上げ、一間四方もある焚火を絶さずに、暖い一夜を過した翌日、赤牛岳に登る目的で、黒部川の支流東沢を遡って行きました。
日本アルプスの五仙境 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)