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黄金
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きん
ふりがな文庫
“
黄金
(
きん
)” の例文
まるでお
伽噺
(
とぎばなし
)
にあるばかな漁師に
黄金
(
きん
)
の魚が手にはいったように、わたくしと出会わしてくだすったことをほんとに感謝いたします。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
宏大な美しい声と、幅の広い柔かな表現を持った人だ。ほかに望みのある人は『ファウスト』の「
黄金
(
きん
)
の
犢
(
こうし
)
の歌」などが面白かろう。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
それから第二のオービユルンが来て、又掘りに掘つた。とう/\
櫃
(
ひつ
)
を見つけたので、蓋を擡げて中の
黄金
(
きん
)
が光つてゐるのまで見た。
「ケルトの薄明」より
(新字旧仮名)
/
ウィリアム・バトラー・イエイツ
(著)
そこはうつくしい
黄金
(
きん
)
いろの草地で、草は風にざわざわ鳴り、まはりは立派なオリーヴいろのかやの木のもりでかこまれてありました。
どんぐりと山猫
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あゝ、鍵は海へ沈みたるなり、鳴りひゞく
洞窟
(
いはや
)
にいたり、
鎖
(
とざ
)
せし扉の上に、ひとたびは
黄金
(
きん
)
の鍵を見出でぬ、かくて開き得もせず
嘆きの孔雀
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
天上の最も
明
(
あきらか
)
なる星は
我手
(
わがて
)
に在りと言はまほしげに、紳士は彼等の
未
(
いま
)
だ
曾
(
かつ
)
て見ざりし
大
(
おほき
)
さの
金剛石
(
ダイアモンド
)
を飾れる
黄金
(
きん
)
の指環を
穿
(
は
)
めたるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
まづ
四隅
(
よすみ
)
の柱と横の桟とは
黄金
(
きん
)
で作り、
彫刻
(
ほりもの
)
をして、紅宝石、
碧玉
(
へきぎよく
)
、紫水晶などをはめそれに細い銀の格子が出来てをりました。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
「
黄金
(
きん
)
の
角笛
(
つのぶえ
)
」と云う宿屋の酒場。酒場の
隅
(
すみ
)
には王子がパンを
噛
(
か
)
じっている。王子のほかにも客が七八人、——これは皆村の農夫らしい。
三つの宝
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いえいえ、」と
鳥
(
とり
)
が
言
(
い
)
った。「ただじゃア、二
度
(
ど
)
は、
歌
(
うた
)
いません。それとも、その
黄金
(
きん
)
の
鎖
(
くさり
)
を
下
(
くだ
)
さるなら、もう一
度
(
ど
)
、
歌
(
うた
)
いましょう。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
しかも、
涼霄
(
りょうしょう
)
の花も恥ずらん色なまめかしい
粧
(
よそお
)
いだった。
髪
(
かみ
)
匂
(
にお
)
やかに、
黄金
(
きん
)
の
兜巾簪
(
ときんかんざし
)
でくくり締め、
鬂
(
びん
)
には一
対
(
つい
)
の
翡翠
(
ひすい
)
の
蝉
(
せみ
)
を止めている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
枕元には人間の大きさ位の青蛙の看護婦が二人、
黄金
(
きん
)
色の眼を光らして、白い
咽喉
(
のど
)
をヒクヒクさせながら腰をかけています。
オシャベリ姫
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
かぐつちみどり
(著)
彼は椅子の
手擦
(
てすり
)
へ
凭
(
もた
)
せた
隻手
(
かたて
)
の甲の上に、口元に
黄金
(
きん
)
を光らした
頬
(
ほお
)
を
斜
(
ななめ
)
に凭せるようにしていた。と、時計が九時を打った。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お前がその意地なら腕に
撚
(
よ
)
りをかけてやってみろ、幸い、あの遊行上人は、
天竺
(
てんじく
)
から来たという
黄金
(
きん
)
の
曼陀羅
(
まんだら
)
の
香盒
(
こうごう
)
というものを持っている
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お珊は
帯留
(
おびどめ
)
の
黄金
(
きん
)
金具、緑の
照々
(
きらきら
)
と輝く玉を、
烏羽玉
(
うばたま
)
の夜の帯から星を手に取るよ、と自魚の指に外ずして、見得もなく、
友染
(
ゆうぜん
)
を
柔
(
やわらか
)
な膝なりに
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それよりも其處に持つてゐらつしやる
無地
(
むぢ
)
のハンケチの
周
(
まは
)
りに
黄金
(
きん
)
のレースで
縁取
(
ふちどり
)
をなすつた方がいゝかも知れませんわ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
私は前述のように
黄金
(
きん
)
の
ウシ
(
ベココ
)
の口碑というのが、いかなものかということについてはほぼ言い尽くしたように思います。
東奥異聞
(新字新仮名)
/
佐々木喜善
(著)
『寡人の名はガスパアと云ふ。ユダヤのベツレヘムに生れようとしてゐる小児へ贈物の
黄金
(
きん
)
を持つて行く所なのだ。』
バルタザアル
(新字旧仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
偽だ偽だとあざ笑っていた掌中の
石塊
(
いしくれ
)
が、あに図らんや小粒ながらもほんとの
黄金
(
きん
)
だと分ったような大いなる驚異を感じないわけにはゆかなかった。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
薄暗い
穹窿
(
きゆうりゆう
)
の
下
(
もと
)
に蝋燭の火と薫香の煙と白と
黄金
(
きん
)
の僧衣の光とが神秘な色を呈して
入交
(
いりまじ
)
り、静かな
読経
(
どくきやう
)
の声が洞窟の奥に
谺
(
こだま
)
する
微風
(
そよかぜ
)
の様に吹いて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
また
近頃
(
ちかごろ
)
發掘
(
はつくつ
)
されたツタンカーメンといふ
王樣
(
おうさま
)
のお
墓
(
はか
)
から
出
(
で
)
た
黄金
(
きん
)
づくめのすてきな
品物
(
しなもの
)
が
山
(
やま
)
のように
陳列
(
ちんれつ
)
せられて、
見
(
み
)
る
人
(
ひと
)
をびっくりさせてをります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「あゝ、此処に居つたな、悪魔めが、不浄な
売婦
(
ばいた
)
めが、
黄金
(
きん
)
と血とを吸ふ奴めが。」彼は聖水を屍と柩の上に注ぎかけて、其上に
水刷毛
(
みずはけ
)
で十字を切つた。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
彼は、黄金メダルを手にとって
撫
(
な
)
でてみた。なかなか美しい。そして重い。やっぱり
黄金
(
きん
)
のように見える。黄金なら、これだけ売っても大した金になる。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
芳子は女学生としては
身装
(
みなり
)
が派手過ぎた。
黄金
(
きん
)
の指環をはめて、流行を
趁
(
お
)
った美しい帯をしめて、すっきりとした立姿は、路傍の人目を
惹
(
ひ
)
くに十分であった。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
と
女博士
(
をんなはかせ
)
は静かな眉尻に一寸皺を寄せた。そして天国の
黄金
(
きん
)
の
梯子
(
はしご
)
でも下りるやうな足つきをしてかたことと廊下を
歩
(
あゆ
)
んで、騒ぎの聞える一室の前に立つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
まず
黄金
(
きん
)
でがすなあ! わしなんざあ、馬車大工のミヘーエフさえこの人に売っちまったでがすからなあ。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
玄関の石畳には、水木の生活とは凡そ不釣合な地下足袋が投出されるように、脱がれて、
黄金
(
きん
)
色のコハゼが、薄暗い玄関の中に、ずるそうに並んで光っていた。
魔像
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
と御機嫌を直しながら、旦那様は紫袱紗を
解
(
ほど
)
いて桐の小箱の蓋を取りました。白絹に
包
(
くる
)
んだのを大事そうに
取除
(
とりの
)
けて、畳の上に置いたは目も覚めるような
黄金
(
きん
)
の御盃。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お霜は
恭
(
うやうや
)
しく千曲の手を取って上座に据え、
眼醒
(
めざ
)
めるばかりに美しい
金襴
(
きんらん
)
の
袱紗
(
ふくさ
)
を押し開き、
黄金
(
きん
)
で
拵
(
こしら
)
えた十字架を、彼女の前へ持ち出しながら、彼女にとっては寝耳に水の
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
スリーマン大佐の経験譚によればその辺で年々小児が狼に食わるる数多きは狼窟の辺で啖われた小児の体に親が付け置いた
黄金
(
きん
)
の飾具を
聚
(
あつ
)
めて渡世とする人があるので知れる
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
外に、
金襴
(
きんらん
)
の帯——師匠菊之丞へは、
黄金
(
きん
)
彫りの金具、黄金ぎせるの、
南蛮更紗
(
なんばんさらさ
)
の
莨入
(
たばこいれ
)
——ほかに、幕の内外、座中一たいに、一人残らず目録の祝儀という、豪勢な行き渡りだった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
殊に
黄金
(
きん
)
の鎖が目立った。しかも彼女はそれを往来で拾ったといっていたのだ。
麦畑
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
夫人の頬は、新鮮な果物のように、
艶々
(
つやつや
)
しく、
黄金
(
きん
)
色の
生毛
(
うぶげ
)
が、微かに光っているし、その腰は、典雅な線で、その豊満さを現しているし、それから、その下肢は、張切って、滑かだった。
ロボットとベッドの重量
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
羽二重
(
はぶたへ
)
の
小袖羽織
(
こそでばおり
)
に
茶宇
(
ちやう
)
の
袴
(
はかま
)
、それはまだ
驚
(
おどろ
)
くに
足
(
た
)
りないとして、
細身
(
ほそみ
)
の
大小
(
だいせう
)
は、
拵
(
こしら
)
へだけに四
百兩
(
ひやくりやう
)
からもかけたのを
帶
(
さ
)
してゐた。
鐺
(
こじり
)
に
嵌
(
は
)
めた
分
(
ぶ
)
の
厚
(
あつ
)
い
黄金
(
きん
)
が
燦然
(
さんぜん
)
として、
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
に
輝
(
かゞや
)
いた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
つめどもつめどもけだものどもは
黄金
(
きん
)
の
実
(
み
)
を足ることしらずけふも摘みをり
小熊秀雄全集-01:短歌集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
この時に出て来た明星は自分の文章に
黄金
(
きん
)
色の句点を打つたと云ふ歌。
註釈与謝野寛全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「あたし、」とファヴォリットは言った、「
黄金
(
きん
)
のものがいいわ。」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そこには
午前
(
ひるまへ
)
の赤い日、
黄金
(
きん
)
の高屋根越しに照らすけれど
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
「老爺さんの
黄金
(
きん
)
の像を建ててあげましょう。」
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ああ
黄金
(
きん
)
のほそいいとにひかつて
秋の瞳
(新字旧仮名)
/
八木重吉
(著)
黄金
(
きん
)
のかみの毛 まっ
赤
(
か
)
なほぺた
魔法の笛
(新字新仮名)
/
ロバート・ブラウニング
(著)
一めん
黄金
(
きん
)
いろに麥は熟れ
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
黄金
(
きん
)
のランプのやうに
藍色の蟇
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
黄金
(
きん
)
のお城の
歌時計:童謡集
(旧字旧仮名)
/
水谷まさる
(著)
そこはうつくしい
黄金
(
きん
)
いろの草地で、草は風にざわざわ鳴り、まわりは立派なオリーブいろのかやの木のもりでかこまれてありました。
どんぐりと山猫
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
金工
(
かざりや
)
は
仕事場
(
しごとば
)
へ
坐
(
すわ
)
って、
黄金
(
きん
)
の
鎖
(
くさり
)
を
造
(
つく
)
っていましたが、
家根
(
やね
)
の
上
(
うえ
)
で
歌
(
うた
)
っている
鳥
(
とり
)
の
声
(
こえ
)
を
聞
(
き
)
くと、いい
声
(
こえ
)
だと
思
(
おも
)
って、
立上
(
たちあが
)
って
見
(
み
)
に
来
(
き
)
ました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
東の方の壁に並んでいる蜘蛛はみんな
黄金
(
きん
)
色で、西の方のはすっかり
白銀
(
ぎん
)
色なのです。そのピカピカ光って美しいこと。
オシャベリ姫
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
かぐつちみどり
(著)
翳
(
かざ
)
せばその手に、山も峰も映りそう。遠い樹立は花かと散り、頬に影さす緑の葉は、一枚ごとに
黄金
(
きん
)
の
覆輪
(
ふくりん
)
をかけたる色して、草の露と相照らす。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
出立
(
しゅったつ
)
の際、老先生に言われた言葉を思い出して、彼は、一日の日も、一刻の時間も、
黄金
(
きん
)
を
費
(
つか
)
うように惜しんで歩いた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
形は
一握
(
いちあく
)
の中に隠るるばかりなれど、
能
(
よ
)
く遠くを望み得る力はほとほと神助と疑ふべく、筒は乳白色の
玉
(
ぎよく
)
もて造られ、
僅
(
わづか
)
に
黄金
(
きん
)
細工の金具を施したるのみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「知らなけりゃ教えてやろう、こりゃ
黄金
(
きん
)
というものだよ。黄金というものは、この世でいちばん大したものなんだ、鮪や鯨より、もっと大きなものなんだ」
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“黄金”の意味
《名詞》
(おうごん)金。
(おうごん)金銭。
(おうごん)貴重で価値の高いもの。
こがね 参照。
(出典:Wiktionary)
黄
常用漢字
小2
部首:⿈
11画
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
“黄金”で始まる語句
黄金色
黄金虫
黄金鎖
黄金蛇
黄金丸
黄金作
黄金水
黄金覆盆子
黄金板
黄金造