黄金わうごん)” の例文
そのあやふきふんで熊を捕はわづか黄金かねため也。金慾きんよくの人をあやまつ色慾しきよくよりもはなはだし。されば黄金わうごんみちを以てべし、不道をもつてべからず。
弦月丸げんげつまるには、めづらしく澤山たくさん黄金わうごん眞珠しんじゆとが搭載とうさいされてます、眞珠しんじゆ黄金わうごんとがおびたゞしく海上かいじやう集合あつまる屹度きつとおそたゝりがあります。
そのニンフの彫物ほりものは、主人の太い、荒々しい手で握つてゐる杖のかしらに附いてゐて、指の間からはそれを鋳た黄金わうごんがきら附いてゐるのである。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
奇しくも黄金わうごんの十字の紋章かゞやきいだし、感激にめくるめく一使徒がバプテスマの河をよろめき足して岸に這ひあがるごとく
展望 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
一五家に久しきをのこ一六黄金わうごん一枚かくし持ちたるものあるを聞きつけて、ちかく召していふ。一七崑山こんざんたまもみだれたる世には瓦礫ぐわれきにひとし。
それらの士は、俗悪なる新画に巨万の黄金わうごんなげうつて顧みない天下の富豪ふがうくらべると、少くとも趣味の独立してゐる点で尊敬にあたひする人々である。
鑑定 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
我若し汝が恰も人の性を憤るごとくさけびて、あゝ黄金わうごんの不淨の饑ゑよ汝人慾を導いていづこにか到らざらんと 三七—
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
死罪しざいこと追放つゐはうといはッしゃるは、黄金わうごん斧鉞まさかりわしくびねておいて、そち幸福しあはせぢゃとわらうてござるやうなものぢゃ。
黄金わうごん積むもの、權威ちからあるもの、たゞしは玉のかんばせの佳人たをやめとても、この夢に、もるゝはあらじ、あなおろかや。
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
どれかが、黄金わうごん魔法まはふによつて、ゆき大川おほかは翡翠ひすゐるらしい。圓山川まるやまがはおもていま、こゝに、の、のんどりとなごやはらいだくちびるせて、蘆摺あしずれにみぎはひくい。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
明日あすからはくるまのおともまるまじ、おもへば何故なぜひとのあのやうやなりしかとながたもとうちかへしうちかへし途端とたん紅絹もみの八ツくちころ/\とれて燈下とうか耀かヾやく黄金わうごん指輪ゆびわ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
日は黄金わうごんまるがせになつて、その音も聞えるかと思ふほど鋭く廻つた。雲の底から立ち昇る青い光りの風——、姫は、ぢつと見つめて居た。やがて、すべての光りは薄れて、雲は霽れた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
いにしへよりしプリアモス、領する*都城黄金わうごん
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
みづりうごく搖曳えふえいは、黄金わうごん、眞珠、青玉せいぎよくの色。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
昔のことわざに『輝くものゝ總てが黄金わうごんにあらず』
くされたる黄金わうごんふちうち自鳴鐘とけいきざみ……
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かみつ世の光を守る、人知らぬ黄金わうごん
花束と、没薬もつやくと、黄金わうごんの枝の果物と
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
産み月の黄金わうごんの闇は
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
光さやけき黄金わうごん
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
黄金わうごんあとけぬ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
しかし夏雄が黄金わうごんを愛したのは、千葉勝ちばかつ紙幣しへいを愛したやうに、黄金の力を愛したのではあるまい。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さんぬるとし中泉なかいづみから中尊寺ちうそんじまうでた六ぐわつのはじめには、細流さいりうかげ宿やどして、山吹やまぶきはなの、かたかひきざめるがごといたのをた。かれつめた黄金わうごんである。これあたゝかき瑠璃るりである。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
秋の夜の目さましに、三〇そと見せよとて、すこしも騒ぎたる三一容色いろめなし。翁いふ。かく参りたるは、三二魑魅ちみにあらず人にあらず。君が三三かしづき給ふ黄金わうごん精霊せいれいなり。
其頃そのころ弦月丸げんげつまるが、今迄いままでほど澤山たくさんの、黄金わうごん眞珠しんじゆとを搭載たふさいして、ネープルスかう出發しゆつぱつして、東洋とうやうむかふといふのは評判ひやうばんでしたが、たれおそ海蛇丸かいだまるが、ひそかにその舷側そば停泊ていはくして
嗚呼、爛壞らんゑせる黄金わうごんの毒にあたりし大都會
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
白金はくきんの愛と黄金わうごんの叡智である。
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
バアトンが之を知つたのは、あたかも西部亜弗利加の黄金わうごん海岸へ遠征しようと云ふ間際まぎはであつた。
就中なかんづく河間かかん王深わうしん居邸きよてい結構けつこう華麗くわれいしゆたるものにして、しか高陽王かうやうわうくわきそひ、文柏堂ぶんはくだう造營ざうえいす、さかんなること帝居ていきよ徽音殿きおんでん相齊あひひとし、清水しみづ玉轆轤ぎよくろくろき、黄金わうごんつるべるに
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其上そのうへわたくし懇意こんい船乘せんどうさんにいてますと、今度こんど航海かうかいには、弦月丸げんげつまる澤山たくさん黄金わうごん眞珠しんじゆとが積入つみいれてありますさうな、黄金わうごん眞珠しんじゆとがなみあら海上かいじやうあつまると、屹度きつとおそろしいたゝりいたします。
黄金わうごんの時をとらへんとしながら
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
巨大なる黄金わうごん卵子たまごの如し。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
赫耀かくやくとしてかゞやく、黄金わうごんはな勝色かちいろ鼓草たんぽゝわしはうへ。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
黄金わうごんの、浦安うらやすたへなるふうに。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
黄金わうごんと、しろがねと
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
黄金わうごんの迷宮に
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)