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黄金
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おうごん
ふりがな文庫
“
黄金
(
おうごん
)” の例文
勘八は驚き
呆
(
あき
)
れて、取蓄えてあった食物と獲物をそっくり提供すると、この連中はよろこんで、勘八に
黄金
(
おうごん
)
二枚を与えて行きました。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そこには握りが
黄金
(
おうごん
)
で出来ている長い杖をついている紳士もいます。レースの帽子をコロネット型の櫛で留めている婦人たちもいます。
世界怪談名作集:11 聖餐祭
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
あるいはまた名高い
給孤独長者
(
きゅうこどくちょうじゃ
)
も
祇園精舎
(
ぎおんしょうじゃ
)
を造るために
祇陀童子
(
ぎだどうじ
)
の
園苑
(
えんえん
)
を買った時には
黄金
(
おうごん
)
を地に
布
(
し
)
いたと言うことだけである。
尼提
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
このしあわせなキスには、
黄金
(
おうごん
)
が、心の黄金がありました。口に黄金、地に黄金、朝の空にも黄金! ほら、これが、わたしのお話ですよ
雪の女王:――七つのお話からできている物語――
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そしてこの
水仙
(
すいせん
)
の花を、中国人は
金盞銀台
(
きんさんぎんだい
)
と呼んでいる。すなわち銀白色の花の中に、
黄金
(
おうごん
)
の
盞
(
さかずき
)
が
載
(
の
)
っているとの形容である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
▼ もっと見る
猿田は
月世界
(
つきのせかい
)
の
黄金
(
おうごん
)
目あてに是非この探険隊に加わりたくて、羽沢さんを殺したんですわ。そして何喰わぬ顔をして、参加を申し出たのよ。
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「マア、非常に綺麗な腕環が入って居る」と、
夜光珠
(
ダイヤモンド
)
や真珠の
鏤
(
ちりば
)
めてある、一個の
光輝燦爛
(
こうきさんらん
)
たる
黄金
(
おうごん
)
の腕環を取出した。
黄金の腕環:流星奇談
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
何枚かの
黄金
(
おうごん
)
にかえた右馬の頭は路用もできたから、七日には立ちたまえ、
壺装束
(
つぼしょうぞく
)
も明日はとどけてくれるからといったが、生絹は泣いていった。
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「この三箱の
黄金
(
おうごん
)
をかれにわたさずして、まんまと、
武田伊那丸
(
たけだいなまる
)
を
龍巻
(
たつまき
)
の手よりうばい取ってごらんに入れますが」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
極端に云えば、
黄金
(
おうごん
)
の光りから愛その物が生れるとまで信ずる事のできる彼には、どうかしてお延の手前を
取繕
(
とりつくろ
)
わなければならないという不安があった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
銀の
籠
(
かご
)
を国王から作ってもらい、その中に
香木
(
こうぼく
)
の
屑
(
くず
)
で作った巣を入れ巣の中に
黄金
(
おうごん
)
の
卵
(
たまご
)
を置いておきました。そして朝と晩とには必ず中をのぞいてみました。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「あ、あの
仏像
(
ぶつぞう
)
ですかい。
地金
(
じがね
)
は
黄金
(
おうごん
)
ですか、なんでできていますか。」と、
隣村
(
となりむら
)
の
金持
(
かねも
)
ちは
聞
(
き
)
きました。
天下一品
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
サファイアをちりばめた
黄金
(
おうごん
)
の手箱などから、日本のまがたま、中国の
白玉
(
しらたま
)
の美しいさいくものなど、まるで、きらめく星にかこまれたようなちんれつ室でした。
灰色の巨人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
将軍家からの救いの手として、愚楽老人はその部下の甲賀者を使い、一夜のうちに埋ずめておいた
黄金
(
おうごん
)
。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そのかわり明瞭に実際に自分の言行を支配する力があれば、いかなる
卑見
(
ひけん
)
も
黄金
(
おうごん
)
の
値
(
あたい
)
を有するにいたる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
わたしはあなたを遠い島へお連れ申します。あなたは、銀の屋根の建物の下で、大きい
黄金
(
おうごん
)
の寝台の上で、わたしのふところで寝られます。わたしはあなたを愛しております。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
朝寝はしたし、ものに
紛
(
まぎ
)
れた。
午
(
ひる
)
の庭に、
隈
(
くま
)
なき五月の日の光を浴びて、
黄金
(
おうごん
)
の如く、銀の如く、飛石の上から、柿の幹、
躑躅
(
つつじ
)
、山吹の
上下
(
うえした
)
を、二羽
縦横
(
じゅうおう
)
に飛んで舞っている。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、利休の指の指した者は
頑鉄
(
がんてつ
)
も
黄金
(
おうごん
)
となったのである。点鉄成金は仙術の事だが、利休は実に霊術を有する天仙の
臨凡
(
りんぼん
)
したのであったのである。一世は利休に追随したのである。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
汝
(
なんぢ
)
翁
(
おきな
)
よ、そちは
少
(
すこ
)
しばかりの
善
(
い
)
いことをしたので、それを
助
(
たす
)
けるために
片時
(
かたとき
)
の
間
(
あひだ
)
、
姫
(
ひめ
)
を
下
(
くだ
)
して、たくさんの
黄金
(
おうごん
)
を
儲
(
まう
)
けさせるようにしてやつたが、
今
(
いま
)
は
姫
(
ひめ
)
の
罪
(
つみ
)
も
消
(
き
)
えたので
迎
(
むか
)
へに
來
(
き
)
た。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
日は
黄金
(
おうごん
)
の
丸
(
まるがせ
)
になって、その音も聞えるか、と思うほど鋭く廻った。雲の底から立ち昇る青い光りの風——、姫は、じっと見つめて居た。やがて、あらゆる光りは薄れて、雲は
霽
(
は
)
れた。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
この時もいたく
胸騒
(
むなさわ
)
ぎして、
平生
(
へいぜい
)
魔除
(
まよ
)
けとして
危急
(
ききゅう
)
の時のために用意したる
黄金
(
おうごん
)
の
丸
(
たま
)
を取り出し、これに
蓬
(
よもぎ
)
を巻きつけて打ち放したれど、鹿はなお動かず、あまり怪しければ近よりて見るに
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
牀
(
とこ
)
の間と、くろがきの大黒柱を境にしてならんでいる仏壇の奥に、
金色
(
きんしょく
)
燦然
(
さんぜん
)
たる
阿弥陀如来
(
あみだにょらい
)
が静まりかえって、これも
黄金
(
おうごん
)
の
蓮台
(
れんだい
)
のうえに、坐禅を組んでいる。その下に、朱塗りの袋戸棚がある。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
分けても笛と鼓とはだな、
黄金
(
おうごん
)
の気を感じ易い。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
水
(
みづ
)
揺
(
ゆ
)
りうごく
揺曳
(
ようえい
)
は
黄金
(
おうごん
)
、真珠、
青玉
(
せいぎよく
)
の色。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
置去
(
おきざ
)
り
人
(
びと
)
や海賊や埋められた
黄金
(
おうごん
)
や
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
自分の
身替
(
みがわ
)
りに、牛丸君が誘拐されたのではないかと気がついたからである。やっぱり、
黄金
(
おうごん
)
メダル探しが目的なんだろう。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし、秀吉はそんな小さな皮肉のために、
黄金
(
おうごん
)
千枚を
積
(
つ
)
んで買いもとめたわけでもなく、また決して、
御旗
(
みはた
)
楯無
(
たてなし
)
の
所有慾
(
しょゆうよく
)
にそそられたものでもない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
湯舟からあがると再び
黄金
(
おうごん
)
をみがくように五体のすみずみまで、洗いそそいで山本さんがいてもそれには関係なく、ぶるんぶるんも遂行するそうであった。
われはうたえども やぶれかぶれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
黄金
(
おうごん
)
の
貴
(
たっと
)
きも知る。
木屑
(
きくず
)
のごとく取り扱わるる
吾身
(
わがみ
)
のはかなくて、浮世の苦しみの骨に食い入る
夕々
(
ゆうべゆうべ
)
を知る。下宿の
菜
(
さい
)
の憐れにして
芋
(
いも
)
ばかりなるはもとより知る。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
花は
真紅
(
しんく
)
の
衣蓋
(
きぬがさ
)
に
黄金
(
おうごん
)
の
流蘇
(
ふさ
)
を垂らしたようである。実は——実もまた大きいのはいうを待たない。
桃太郎
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして銅貨や小石をとりよせては、皮袋にいれて、みな
黄金
(
おうごん
)
にしてしまいました。くたびれてくると、大臣をよびました。つぎには、ごてんじゅうの役人をよびました。
銀の笛と金の毛皮
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
背皮に
黄金
(
おうごん
)
の文字を
刷
(
お
)
した
洋綴
(
ようとじ
)
の
書籍
(
ほん
)
が、ぎしりと並んで、
燦
(
さん
)
として
蒼
(
あお
)
き光を放つ。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
間
(
あひだ
)
に
相變
(
あひかは
)
らず
竹
(
たけ
)
を
取
(
と
)
つては、
黄金
(
おうごん
)
を
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れましたので、
遂
(
つひ
)
には
大
(
たい
)
した
身代
(
しんだい
)
になつて、
家屋敷
(
いへやしき
)
も
大
(
おほ
)
きく
構
(
かま
)
へ、
召
(
め
)
し
使
(
つか
)
ひなどもたくさん
置
(
お
)
いて、
世間
(
せけん
)
からも
敬
(
うやま
)
はれるようになりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
伯爵は三人の娘の顔を
打眺
(
うちなが
)
め、
黄金
(
おうごん
)
の
腕環
(
うでわ
)
を再び自分の手に取って
黄金の腕環:流星奇談
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
嗚呼
(
ああ
)
、
爛壊
(
らんえ
)
せる
黄金
(
おうごん
)
の毒に
中
(
あた
)
りし大都会
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「
黄金
(
おうごん
)
バットかな。」
もののいえないもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
黄金
(
おうごん
)
の塔
少年探偵団
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その夜、戸倉老人は、春木少年から
黄金
(
おうごん
)
メダルに関するこれまでの話を聞き、少年が思いがけない苦労をしたことに深い同情のことばをかけた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
愛は
迷
(
まよい
)
である。また
悟
(
さと
)
りである。愛は天地
万有
(
ばんゆう
)
をその
中
(
うち
)
に吸収して
刻下
(
こっか
)
に異様の生命を与える。
故
(
ゆえ
)
に迷である。愛の
眼
(
まなこ
)
を放つとき、
大千世界
(
だいせんせかい
)
はことごとく
黄金
(
おうごん
)
である。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
のみならず翁は
蒐集家
(
しゅうしゅうか
)
です。しかし家蔵の墨妙の
中
(
うち
)
でも、
黄金
(
おうごん
)
二十
鎰
(
いつ
)
に換えたという、
李営丘
(
りえいきゅう
)
の
山陰泛雪図
(
さんいんはんせつず
)
でさえ、秋山図の神趣に比べると、
遜色
(
そんしょく
)
のあるのを
免
(
まぬか
)
れません。
秋山図
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ただ一つ、大きな
黄金
(
おうごん
)
の
卵
(
たまご
)
形のものが転がってるきりでした。皆はあっけにとられました。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
黄金
(
おうごん
)
の
鎖
(
くさり
)
を
胸
(
むね
)
にたらした
銀色
(
ぎんいろ
)
の十
字
(
じ
)
架
(
か
)
、それが、
朝陽
(
あさひ
)
をうけて、ギラギラ光っている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いと白くたをやかなる
五指
(
ごし
)
をひらきて
黄金
(
おうごん
)
の
目貫
(
めぬき
)
キラキラとうつくしき
鞘
(
さや
)
の
塗
(
ぬり
)
の輝きたる小さき
守刀
(
まもりがたな
)
をしかと持つともなく
乳
(
ち
)
のあたりに落して
据
(
す
)
ゑたる、鼻たかき顔のあをむきたる
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
このことがあつてからも、
翁
(
おきな
)
はやはり
竹
(
たけ
)
を
取
(
と
)
つて、その
日
(
ひ
)
/\を
送
(
おく
)
つてゐましたが、
奇妙
(
きみよう
)
なことには、
多
(
おほ
)
くの
竹
(
たけ
)
を
切
(
き
)
るうちに
節
(
ふし
)
と
節
(
ふし
)
との
間
(
あひだ
)
に、
黄金
(
おうごん
)
がはひつてゐる
竹
(
たけ
)
を
見
(
み
)
つけることが
度々
(
たび/\
)
ありました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
黄金
(
おうごん
)
の、浦安の
妙
(
たへ
)
なる
封
(
ふう
)
に。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「おい戸倉。きさまが、しぶといから、こんな
悶着
(
もんちゃく
)
が起る。早く隠し場所をいってしまえ。この
黄金
(
おうごん
)
メダルの半分の方はどこに隠して持っている」
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いや、それよりも大事なのは、去年この「さん・ふらんしすこ」の
御寺
(
みてら
)
へ、おん母「まりや」の爪を収めた、
黄金
(
おうごん
)
の
舎利塔
(
しゃりとう
)
を献じているのも、やはり甚内と云う信徒だった筈です。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
七つの部屋にいっぱいの
黄金
(
おうごん
)
の山をみて、どうしていいかわからなくなってきました。
銀の笛と金の毛皮
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
無言は
黄金
(
おうごん
)
である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
金貨が出てきて、刑事達は
俄
(
にわ
)
かに緊張した。銀座の金塊盗難事件以来というものは、
黄金
(
おうごん
)
を探して歩いた二人だ。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“黄金”の意味
《名詞》
(おうごん)金。
(おうごん)金銭。
(おうごん)貴重で価値の高いもの。
こがね 参照。
(出典:Wiktionary)
黄
常用漢字
小2
部首:⿈
11画
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
“黄金”で始まる語句
黄金色
黄金虫
黄金鎖
黄金蛇
黄金丸
黄金作
黄金水
黄金覆盆子
黄金板
黄金造