文月のひと日ふみづきのひとひ
黒檀のみどり葉末に、 そよ風ながう滑りて、 自然の魂塊藍に 薫りとぶ真夏の昼。 金糸雀にうまゐ醒めて、 夢の世に追ひわびたる、 やわらぎの霊の華を いま紫陽花にみとめつ。 昨夜詩に寝ね足らぬ 瞳細ういと細う、 わが世永久にかゝらばと、 おも …